人事・労務の専門家が、熊本のビジネスカンファレンス「FIVE RINGS」で得た学び
熊本市の社会保険労務士、荻生清高です。
ビジネスカンファレンス「FIVE RINGS」へのお誘いを頂き、参加して参りました。
熊本の企業・副業兼業のエコシステムの最新状況に、触れることができました。ベンチャーキャピタル関連の皆様も見かけたのは、熊本への起業関連への注目の表れだと感じました。
イベントの公式レポートはこちらです。
トークセッション2「創業60年前後・3代目。歴史ある企業3社の変革と、その裏側。」
会場に着いたのは、トークセッション2の終わり際。
朝からお客様対応が立て込んでしまい、第2部トークセッションの途中から参加しました。チイキズカン・坂本社長の基調講演と、第1部トークセッションが聞けなかったのは、本当に残念。
いきなりのエネルギッシュなトークに、もっと早く来ればよかったと後悔。
ちょうど来た頃が「人材確保に困っている」課題へのアプローチ。
田舎に人が来るにはどうするか。「ウェブに投資し、アウトプットに配慮した発信を行い、それに響いた人が応募してくるサイクルを回す」実践を紹介。
「ビッグマウスでも、笑われても、言語化することが大事。いつか認知される」とも。
私も開業3年目の起業家ですが、とにかく「知ってもらわないことには、何も始まらなかった」ですね。とにかく自分という人の、そして社労士の認知度を上げるための活動を、進めてきました。
仕事も採用も、知ってもらわなければ進まない。
どのように会社を、経営者たる自分を、認知してもらうか。
自分と異なるアプローチを知ることができたのは、自らの幅を広げるのに役立ちました。
トークセッション3「地方×UIターン。新たな価値を生み出す、クリエイターとの共創術。」
こちらも、ウェブメディアの活用が目立ちました。
YouTubeやSNS、ウェブサイトを効果的に使って、社内と社外の両方でチームを作って連携していくスタイル。場所の制約を超えて、いかに協業していくか。
「チームで進めることは、プロジェクトマネジメントの経験値を積み上げ、継承する上でも役立つ」とのこと。プロジェクトを積み上げ、地域に残していくために、意識して「仕組み」を作っていた事実が垣間見えます。
トークセッション4「躍進する地元企業に学ぶ。非連続な成長を生む、外部経営人材の活用法。」
副業人材を、経営人材として外部から迎え入れた会社の実践でした。とにかく丁寧に、やるべきこと・必要なことを積み上げています。
「ウソをついていてもしょうがない。ありのままを伝える。その代わり、ありのままを教えてください」
「期待値がズレないように、週に1回は打ち合せていた」
「こういう働き方をしてほしい、というのはフワっとではなく、カチッと決めた。家族を帯同して来ていただく以上、受入側の義務と考えている」
「あるべき姿の提示は、大事と考えている」登るべき山を示してもらえれば、あとの登り方は任せてほしい(任せてもらったほうがいい)
プロジェクトピッチ
その後は、熊本で活動する起業家6人による、プロジェクトピッチ。自らの経験や力と、地域の特色を活かし、活動する人たち・企業が、そこにいました。
これをきっかけに、行ってみたい場所もできましたね。
次回の開催意向も発表。
やりたかったけどやれなかったことも、様々あったとのこと。
次の開催も、行ってみたくなりました。
YOKAMUKI代表 平田竜一様「フードロス削減を目指す、熊本の学生プロジェクト」
株式会社ブレイク 代表取締役 小川佳祐様「デジタル人材の“地育地活“を進める会社」
パーソルイノベーション株式会社 lotsful代表 田中みどり様 「副業人材のスキル・ノウハウのマッチング支援」
株式会社urban direction 代表取締役 和泉秀様「“建築“を含めた街づくり」
タピオカ留学 池田大将様「海外大学留学生向けの就職活動支援」
Tobase Labo 代表 中川裕史様「戸馳島の活性化、アボカド・パッションフルーツの⽣産・加⼯・小売事業」
人事・労務の専門家として、「FIVE RINGS」をどう聞いたか
登壇企業・経営者の皆様からは、課題や悩みも寄せられました。
中でも、人材確保、副業人材の活用といった、人事・労務面が目立ちました。
これ、社労士が役に立てる機会、けっこう多くね?
ただ、熊本のベンチャー・スタートアップ界隈から、熊本の社労士に相談が来てるという話は、聞き及びません。私が知らないだけ?
これは間違いなく、私たちのアピール不足ですね。
だからこそ、「FIVE RINGS」に足を運んだのですが。
「多様な働き方」「場所や時間の制約を超えた働き方」に求められる、高度な労務管理。
フレックスタイム制、時差出勤制など、柔軟な働き方。
場所の制約を超えた働き方。
副業・兼業、あるいは業務委託人材の活用。
これらはすべて、労働時間の管理、あるいは労働者性の検証その他、高度な労務管理を求められます。
そして、IPOやM&Aを目指すにあたっては、労務管理を決しておろそかにできません。労務上の問題が発生し、IPOやM&Aが頓挫した会社は、数多くあります。
ベンチャー・スタートアップには、会社の設立時から、労務管理を整える必要があります。創業期の時間が無い経営者に、専門家の活用で「時間を節約する」選択肢が、熊本にも広がればと思います。
熊本の起業家に、人事・労務管理の意識が根付くこと。
そして、人事・労務管理の専門人材の活用も、広がること。
その日に備えて、私たちも腕を磨いておきたいと思います。
熊本県社会保険労務士会「働き方改革&DXフェステイバル」のご案内
さて、私たち社会保険労務士(社労士)は、人事・労務を扱う国家資格者です。
「多様な人材に、いかに活躍していただくか」、「人を大切にする会社を、いかに作るか」ということを、常に考えています。
FIVE RINGSでは、「多様な働き方」「人の生産性の向上」「副業・兼業人材の活用」が、トピックになりました。
これらを実現するための、デジタルの活用・副業人材の活用、そして「働き方改革」実現に向けた、フェステイバルを開催します。
デジタルツール・クラウドツールの支援企業、そして支援の専門家が、これだけ一堂に会する機会は、熊本にはなかなか無いと思います。
このフェスティバルの、16時からのプログラム「実務研修」に、私が登壇します。
「社労士だから知っている! 助成金の基礎&最近の調査はここが見られる!」をテーマに講演します。
「助成金を活用できる」会社になるため必要なこと
社労士だから知っている「わが社で使える助成金」を社労士から引き出す質問
働き方改革・デジタルトランスフォーメーション(DX)に役立つ助成金・補助金
労働基準監督署・年金事務所の調査。何のためか、どう向き合うか?
皆様の課題解決に、そして熊本がより盛り上がるために。
私たち社労士が、少しでも役に立てれば幸いです。お申込み・ご参加お待ち申し上げます。
※お申し込みの際は、紹介者の氏名に、私または弊所名、荻生清高または「社会保険労務士 荻生労務研究所」をご記入いただくと喜びます。笑