おーい(OHHI)のリーダーシップを回そう。|現場を動かすリーダーシップ類型論
解なき複雑な状況で、望む変化を生み出し続けるチーム/コミュニティ/場づくりには、さまざまなリーダーシップが必要だと考えています。
多様な一人一人が自分なりの強みを活かして、自分らしくチームの目的に貢献していることを、「このチームでは、参加型リーダーシップが発揮されている」と言ったりします。
原則の通り言えば、人の数だけリーダーシップが存在することになる考え方ですが、今回は、おーい(OHHI)という4つに分類できる形で、参加型のリーダーシップについて考えてみましょう。
おーい(OHHI)
オーイとは、以下の4つです。
・オーガナイジング(Organizing)
・ホスト(Host)
・ハーベスト(Harvest)
・インビテーション(Invitation)
これらは、めちゃくちゃ乱暴に漏れのある形で日本語にすると、事務局、企画進行、記録、広報ということになります。
あくまで私個人の理解ですが、たとえば、以下のような力が問われることになります。
・オーガナイジング: 日程、会場、宿泊、食事、道具、予算、受付などのロジスティクスを担う。物事が円滑に進むように、話すべき人に「話を通しておく」など戦略的な関わりも含む。
・ホスト: プログラムデザイン、ファシリテーション、問いづくり、チームビルディング、参加者のおもてなし。
・ハーベスト: 成果物の収穫。写真撮影、グラフィック、動画、レポートなどの記録。
・インビテーション: 成果物をつかって、参加者をイベントへ招待する。ウェブページ、動画、グラフィックを作成して、周知・広報。
そして、この4つをもってして、運営チームと呼びます。
全部がつながっているので分けることはできませんが、これらの4つがつながって、何重にも折り重なっていくと、組織がチーム/コミュニティになっていき、「器がある」=「キャパがある」状態になっていきます。
オーガナイズがあるからホストが立てる。ホストが立つからハーベストができる。ハーベストがあるから次の招待状が書ける。招待状があるから次のオーガナイザーが立つ(オーガナイザーがいないと招待状を受け取る人がいない)。こんな感じで、OHHIは循環しています。
逆に、これを全部ひとりでやったり、経験が少ないチームが担うと、言葉どおり「キャパオーバー」な事態が起きてきます。(何度、それで私は心身を崩したことやら…いまだ修行中です)。
一つでも抜けると、まあまあ大変なことになります。
・オーガナイジングなし : 必要な時に必要なものや場所がない。そもそも開催されない。
・ホストなし : 場が参加型ではない。声の大きい人に左右される、小さな声が大切にされない。
・ハーベストなし : 記録が残らない。次のアクションにつながらない。話しておしまい。
・インビテーションなし : そこにいて欲しい参加者が来ない。いつもの人しか来ない内輪感。広がりがない。
なんか、「あるある」ですよね。
人によって、好き/得意と思うところや、苦手意識があるところが違うかもしれません。適材適所といいますが、それぞれの強みを見つけて、補い合っていけるとよいのかもしれません。
ただ、基本的には、皆がこの4つをまんべんなく練習をして、分散していけると、さらに強靭な器、つまり、チームにキャパが場にできるのだと考えています。なぜなら、スーパーオーガナイザー、スーパーホストなどに頼りきりになってしまうと、その人たちがいなくなった時、急にコミュニティやプロジェクトが動かなくなってしまった、なんてことがあるからです。
使い方
具体的にこのフレームを、どうチームづくりに使うかと言うことを補足しておきます。参加型チームを作りたいなら、立つべきことはこうです。
①あなたが好き!得意!なことはどれか。
②あなたが今練習したい!と思っているのはどれか。
③そのために、具体的にチームメンバーに助けて欲しいことはありますか。
4つの役割のうちどれを担いたいかというよりは、4つのリーダーシップのうちどこを軸足にするかという捉え方の方がよりチームは柔軟です。たとえば、あなたが「オーガナイズ」を選んだとしたら、それを軸足にしてピポットするように、ホスト、ハーベスト、インビテーションも鍛えていくことを推奨しましょう。
ということで、今回は、4つのリーダーシップという切り口から、コミュニティのキャパづくりを考えてみました。みんなでいい土をつくって、いい成果物を残せるように、一緒にぜひトレーニングをしませんか。
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