研究ノート 米国の多くのPWR(BWRでは、原子炉圧力容器部の0.1 MeV以上の中性子束が、PWRよりも一桁低いため、問題ない)では、緩めた技術基準ギリギリで運転継続しており、その根拠は、過去の運転記録から、具体的には、最近の30年間の運転実績から、加圧熱衝撃(PTS)などの急冷現象が発生していないため、さらに緩める必要は、ないと判断しているものと推定され、そのような、世界初の試みは、軽水炉を生み出した米国のエンジニアだからこそできたこと、20年寿命延長ほぼ全基、いまのところ、40年延期13基
米国の軽水炉、特に、PWRは、原子炉圧力容器の0.1 MeV以上の中性子に起因する中性子脆化が予想以上に進行したため、1980年代後半に、中性子脆化の程度の指標である設計時の脆性遷移温度93℃から、132℃(軸方向溶接部に対し149℃。脆性遷移温度とは、その温度以下に、高い圧力がかかった状態で、急冷すれば、原子炉圧力容器の脆性破壊確率が高くなり、危険)に緩めましたが、最近の独自調査に拠れば、その後、再度緩めたことはなく、米国の多くのPWR(BWRでは、原子炉圧力容器部の0.1 MeV以上の中性子束が、PWRよりも一桁低いため、問題ない)では、緩めた技術基準ギリギリで運転継続しており、その根拠は、過去の運転記録から、具体的には、最近の30年間の運転実績から、加圧熱衝撃(PTS)などの急冷現象が発生していないため、さらに緩める必要は、ないと判断しているものと推定され、そのような、世界初の試みは、軽水炉を生み出した米国のエンジニアだからこそできたことで、20年寿命延長ほぼ全基(設計寿命40+寿命延長20年=総運転期間60年)、いまのところ、40年延長13基(設計寿命40+寿命延長20年+再寿命延長20年=総運転期間80年)になっています。
【2024.9.25補足】
脆性遷移温度や脆性破壊や米国の寿命延長についてはnote本欄バックナンバー記事参照。