最後の不肖の共同研究者の立場で内藤俶孝さん(2024.6.14逝去、享年86歳、元原研部長、元ソフト会社NAIS社長)を偲ぶ 内藤さんは、いつも、実験前の打ち合わせの時に、理論的哲学的実務的なすばらしい論理展開をすることにより(いかなる問題に対しても、ニュートン力学、マクスウエル電磁理論、相対論、量子力学から始まり、本論につなげていた)、鼓舞し、士気を高め、研究の方針を示しており、頭の柔らかい、アイデアの泉の枯れることのない人生、計算科学のトップ実務家
内藤俶孝さん(京大物理卒、炉物理)は、1961年、原研入所、JP開発室で、原子炉核熱流動計算コードの開発に携わり、軽水炉安全解析の経験から、原子炉解析室長と臨界安全研究室長の時に安全審査にかかわるツールの開発(臨界ではJACSシステムの開発)により、さらに、安全性試験研究センターサイクル安全工学部長として、国の核燃料サイクル技術にかかわる安全規制のための実務的貢献が多く、一口で言えば、安全規制のための評価法の実用的技術開発での貢献が大きく、安全性試験研究センター長、東海研副所長、原研理事まで、順調に、登れた人材でしたが、ひとつだけ傷を残したことが大きく影響し、内藤さんは、そのことを認識し、無念に思っていました。
私は、内藤さんがサイクル安全工学部長の時の不肖の共同研究者として、炉物理実験とコンピュータシミュレーションで、犬馬の労を担い、30編の論文にかかわり、学ぶことの多い、有意義な一時期を過ごすことができました。
内藤さんは、いつも、実験前の打ち合わせの時に、理論的哲学的実務的なすばらしい論理展開をすることにより(いかなる問題に対しても、ニュートン力学、マクスウエル電磁理論、相対論、量子力学から始まり、本論につなげていた)、鼓舞し、士気を高め、研究の方針を示しており、頭の柔らかい、アイデアの泉の枯れることのない人生でした。
計算科学のトップ実務家。
ご冥福を祈ります。