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手を使って書くことと描くこと:後編

「お手紙」にまつわるエピソード:後編です。大学進学あたりから書きます。

幼少~高校までの前編↓


大学進学で愛知の家を出て、初めての一人暮らしを京都でスタートしました。この当時はEメール全盛期、ケータイはガラケー。ネット回線がようやく一般人にとって手軽になったころだと思います。

ノートパソコンも1回生か2回生のときに導入し、友達とはmixiやメールでのつながりはありました。

が、そんなIT革命をしつつもわたしはお手紙のほうが多かったです。京都市内に住むと、自転車で都心部に行けちゃうんですね。

素敵な紙がすぐ買えるってばよ…!

と、寺町通り界隈の鳩居堂やロフトをはじめイノブン、恵文社…文字通りチャリで走っていろいろ買ってました。この頃初めてミドリの「紙シリーズ」と出会い、テンションが上がりました。

「紙シリーズ」は、和紙を使った、雅でとても可愛いお手紙セットです。

初めて買ったのは金魚の柄。
便箋2枚を重ねると2枚目の金魚が1枚目に透けて見えるのがとてもとてもきれいで、手に取るたび心が躍りました。

おそろいの封筒に入れても透かしの仕掛けがあって、幸せ全開!

このうるわしい紙に近況をしたためて、同郷の友人に手紙を送っていました。「紙シリーズ」は特に母に大好評でした。

買い続けるにはちょっと高めだったんですが、母がとても喜んでくれるのでがんばって季節の新柄を集めたり。集めたくなるものでした。

そんな母も何を隠そう、お手紙文化の人なのです。


わたしのお手紙文化の始まりは母の影響なのかもしれない。
わたしの誕生日にはメッセージを書いてくれたし、(数年前から)LINEも使ってるけど、いまでもお友達にお手紙を書いています。

この思い出があるからか、わたしも大切な人との記念日は自然にお手紙を書いて贈っています。欧米的わかりやすい愛情表現がちょっと苦手なので、こういう節目であらたまって気持ちを伝えたいのでしょう。

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タイピングやすぐ消せるデジタルは便利だけど、手描きのあたたかみってやっぱり好きだなぁと思います。デジタルの魅力全盛期の頃に「あえて面倒」なアナログや絵を選びたいのは、お手紙文化が浸透しているからだと思います。

今わたしのお仕事の領域はデジタルが多いけど描き起こしはずっと手描きだし、わたしがおばあちゃんくらいになったときの終着地点は紙と絵の予定です。

紙のてざわりとあたたかみを感じ続けていたいです。

ちなみにここ数年の年賀状は、私の絵と母の題字コラボです。

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清世/画家
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