(9回目)子供への影響を考えるワーク①(依存症者を抱える夫婦で共に考えてほしいワーク)

○1週間に1回以上、子供の前で夫婦喧嘩や言い合いをする事がありますか?


○依存症者ないしそうでない側、もしくはお互いに、子供を味方に付けようとしていませんか?
(子供に愚痴を聞かせたり、相手への不満を聞かせたり、自分の方が正しく相手がおかしいと聞かせる、など)


○相手に言いたい事を子供を使って伝えさせていませんか?
(「飲むな」とか「お酒はダメ」とか「○○と言ってたと言っておいて」など)



上記の3つは、アルコール依存症家庭なら必ずある子供を巻き込む行為で、アダルトチルドレン養成行為です。

1週間に1回は夫婦喧嘩や言い合いがある事は、依存症家庭であれば当たり前ですが、世間では異常な多さです。
子供にとって、親は神にも等しい絶対的な信頼を置いている相手です。
幼ければ幼いほど、この状況は色々と子供の心を傷付けます。
大人になっても機嫌の悪い人に恐怖を感じたり、大声を出す人や声の大きい人に恐怖を感じたり、物音への恐怖から敏感になったり。
親に対して信頼が下がっていくために、例外はほとんどなく自分を出せない人間になっていきます。
「喧嘩は止めて」と言って、「お前はどっちの味方なんだ」と怒られるパターンも多いです。
子供は最初は両方を信頼しています。
ですが、それが崩れていきます。
最終的にどちらを選ぶも、どちらも選ばないも子供次第ですが、選んだ時点で子供のアダルトチルドレン化はとっくに始まっています。

2つ目の質問について。
大人であっても、毎日誰かの不平、不満、愚痴ばかり聞かされていたら心が病みますし、そういう人がいたら距離を置くと思います。
相手の話を通し、自分の不平、不満、愚痴を当然だと正当化している場合でない限り、人のそういった話は不快に感じるのが人間です。
しかし、子供は純真に受け止めて聞いてしまったり(『お母さん可哀想』『お母さん大変だから聞いてあげなくちゃ』など)、酷いと嫌がっても聞いてくれない子供への怒りをぶつけてまで強引に聞かせようとしてしまいます。
僕の様に、もう苦しくて「聞きたくない」といったら自分まで悪者にされたり、「ひねくれている、性格悪い」と言われて、強引に聞かされ続けてきたアダルトチルドレンも多いです。
子供は元々両親に対して信頼していますが、それでも母親への信頼の方が断然強いです。
そのため、母親が子供を味方に付けてしまった時、家庭内の上下関係のピラミッドは完成してしまいます。
この場合、奥さんにパーソナリティー障害が発生する場合が多いです。
子供を味方につけた母親が自分の方が絶対的に正しいという思い込みが強くなり、毒親へと化していくのが定石です。
よく言う事を聞いたり、母親の騎士の様に母親を守るヒーロータイプのアダルトチルドレンと化した子は、親にとっては信頼のおける良い子でしょうが、愛情に飢えているために、親に頼られたり尽くすことでしか愛情を得られない超スーパーアダルトチルドレンで、自分で気付かなければ生涯かけて生き辛さに苦しむ事になっていきます。

3つ目の質問について
子供に代弁させるという事は、相手からの怒りや憎しみを子供が代わりに受けてくることになります。
自分の思いではない事を伝えただけであるにも関わらず、直接相手の感情を当てられるという事は子供の心に深い傷や恐怖が植え付けられていきます。
子供の言う事なら聞くだろう・・・と淡い期待を持つ人も多いようですが、子供が言ってきたとして、自分の意に反したことを言ってきたとしたら、あなたは『子供が言うのだったら・・・』と素直に聞けますか?
子供の前では分かったふりをしたとしても、怒りに火が付いたり、更なる口論の口実になる場合がほとんどです。
それによって子供は「自分があんなこと言ったから・・・」と罪悪感を抱えてしまいます。

何気ないつもりの何気ない事が、子供にとっては心の傷となりアダルトチルドレン化は気付かないうちに進行します。
依存症の問題を長年抱えている家族ほど、子供は自分でも気付かない生き辛さでもがいて苦しんで生きるようになります。
アルコール依存症の問題は、本人だけの問題ではありません。
夫婦だけでの問題でもありません。
子供の精神的成長や人生そのものに大きな悪影響を与えます。
これを機に、アダルトチルドレンの事、毒親のこと、勉強してほしいと思います。

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