不安症と向き合うために読んだ本
自分だけでは解決しない心の問題が起きた時、そこから少しでも浮上して、生活がしやすくなるための道を教えてくれる道標のような、ガイドのようなものがあるといいと思います。お医者さんや周りの人からのアドバイスなどもあると思いますが、本を読むのもおすすめです。
治療方法や考え方、専門的な視点からアドバイスをくれるような本はそばにいてくれる味方であり、お守りのような存在になります。
今苦しんでいる方達がよい本と出会えますように。
「無(最高の状態)」
鈴木祐
サイエンスライターの鈴木祐さんの本。
多くの科学論文を読み、厳選した人生に役立つ知識をまとめていらっしゃいます。
脳は過去のデータから勝手に歪んだ物語を作ってしまうので、それによって余分な心配ごとや不安が生まれてしまうんだそうです。そんな自分勝手な脳の状態を理解し、トレーニングすることによって負のループから抜け出そうという内容です。
不安神経症になってから孤独感を強く感じてしまい、人との繋がりがなかなか感じられない私には、本文中に出てくる「縁起生」が必要だと思いました。
「縁起生」とは、この世には独立した存在などなく、あらゆるものが因果関係のネットワークの上に成り立つという世界観のこと。
例えば、なにげなく買っているコンビニのおにぎり。それを売っているお店の人、作っている人、コンビニにおこうと企画した人、など、おにぎりひとつとっても色々な人が関わっているおかげで、今自分はおにぎりが食べられているのだ。と考えられるような、人との繋がりを感じられて「自分は一人きりで生きているのではない」と思える。みたいなことです。
縁起生を高めるために、本の中で書かれている慈経行(じきんひん)というトレーニングをやってみています。
歩きながら、通りすがりの人の幸せを願うという方法です。散歩が日課なので、数人の人とすれ違うのですが、そのたびに「よいことがありますように」「お気をつけて」「いてくれてありがとうございます」とその都度内容は変わりますが、お祈りしています。
これが人数が多くなっていくと誰に祈ったらいいのかわからないので混乱するのですが笑、その時ははじめに「みなさん」と付け加えたり、誰かを決めてお祈りしてみたりしています。
効果はまだしっかりとは感じられていませんが、やるのとやらないでいるのとでは、人がいてくれることのありがたみを感じる大きさが違う気がします。
続けているとだんだん手を合わせたり、お辞儀をしたくなってくるから気をつけなければいけません笑
他にもトレーニング方法がのっているので、エクササイズのように今の自分に合うものはどれかなと、ひとつずつ試していくのもよいかと思います。
「STRESS FLEE」
オリヴィア・リームス
不安や抑うつなどの心の健康の研究者であるオリヴィア・リームスさんの本。
孤独を乗り越えるための方法として、
「自分の「内面」ではなく「行動」にフォーカスする」
とあって、内側ばかりみつめていても、現状は何も変わっていない。今日、人と関わるためになにをしたかな?と考えて、やってみることが大事だよ、という内容が書かれていて、考えたり悩むことはたくさんするのに、外に出していなかったなと気づきました。
気づいたからってすぐ行動的になれるかっていうと難しいので、自分の内省する癖を、さらに反省して行動を変えようとするねじれた方法をとってみました笑(裏の裏の裏をかくみたいな。。わかります?)
いつも心配したり考えちゃっているな
↓
考えてるけど外側に出していないな
(人と繋がる行動をとっていないな)
↓
なにか行動をとった方がいいのかな?人に連絡とってみようかな?
↓
でもこわいな。。迷惑かもしれないし。。やめておこうかな。。
↓
いや、悩んでても悩んでなくても何もしてなければ現実は変わらないか。。いつもこうやって悩んで何もできないんだよな。。
↓
よし、人に連絡してみよう
はい、やっとここで行動!
実際はもっと長いです、ぐじぐじ悩みます。はしょっちゃってます。
一回立ち止まっちゃってるし。悩まずすぐ行けよ!って行動的な人から言われそうですが、残念ながら何度も言い聞かせないとコントロールが難しいのです。
そして行動してみたらどうだったかというと、人の気持ちにふれることができて、気持ちが落ち着いて上向きになりました。
ただ、ポジティブな記憶って忘れやすいんですよね。ネガティブだったりトラウマは思い出しやすいようにできてるみたいです。困るー
なので、時々行動にうつしたり、嬉しかったことを思い出せるようなアイテムを(やりとりのメールや写真とか、日記をつけておいて読み返すなど)もっておいて、しょっちゅう脳に思い出させることが必要だと思います。
本には「逆境や困難はあなたを強くする」と書かれています。本当だったら頼もしい言葉です。脳は勝手に物語を作ってしまうけれど(「無 最高の状態」より)、困難を乗り越えられたなら、それもインプットして強い自分を形成してくれるのでしょうか。そうだといいな。
「不安神経症・パニック障害が
昨日より少し良くなる本」
ポール・デイヴィット
不安神経症が少しよくなった頃にみつけた本です。
著者は10年不安神経症を患い、克服した方です。
冒頭でそれを知った時、救われた気分になりました。
治るんだ!どうやって!?やや興奮しながら読み進めていくと、
「不安に対する自分の強い思い込みを手放しましょう」
「不安に立ち向かうのをやめて、そのままを受け入れましょう」
ということが延々と書かれているんですね。
不安の症状を感じても、そのまま生活を続けることが大事だと。
なんとなくわかってたけど、やっぱり気のもちようかーい!と思いました笑 きっと発症したての頃読んでいたら納得できたかどうかはちょっとわかりません。はじめは焦って即効性のある方法ないかって探しちゃうんですよね。。今は特効薬はないのだから、そのままを受け止めることで治るなら、その感覚を理解したいと思っています。
文中には「神経過敏症」は音叉を叩き続けて振動が大きくなりすぎたようなもので、神経が鎮まる時間が必要であると書かれてありました。
すごくわかるなと思いました。発症したての私は、自らがんがん音叉を叩きつけてその振動と音で頭をいっぱいにしていました。今も、不安を感じる条件が揃うとそんな感じで自分で自分を苦しめてしまっています。自分で自分にムチ打って、もっと不安になれ〜もっと不安になれ〜と煽っているようなものなんですよね。傷に塩塗ってますね。やれやれ。
振動は全く静かになることはないかもしれないけれど(著者は回復した時すべての症状が消えたそうです。いいな!)、なるべく鳴らす回数を減らしていけたらいいなぁと思います。
⚠︎病気に関しての本は校正がきちんとされていない場合もあるらしいので、注意が必要です。昔の常識が今通用しないことがあるように、科学的な研究結果も随時変わっていくことも考慮して、読むようにしてください。
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