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【情報共有】令和7年度「埼玉県公立学校教員採用選考試験」(令和6年度実施)
1次試験免除で、今回は2次試験からの受験でした。
選考区分は、中学校教諭「理科」です。
この投稿では、前半に「試験の内容」を記載します。
そして、後半は、私が気付いた「合格に必要なポイント」について書いています。
埼玉県の公立学校教員を目指される方の参考になったら幸いです。
「未来を創るこどもたち。未来を育てるわたしたち。~未来への責任~」
埼玉県教職員MOTTO(モットー)です。
本当に素敵なキャッチフレーズだと思います。共に、素敵な埼玉教育を目指していきましょう!
(1)試験の内容
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【2次試験】(私は、2次試験からの「特別選考」で受験をしました)
1日目 埼玉大学 8月10日(土)
①論文試験(50点)
800字程度、試験時間60分
論文題「埼玉県では、「埼玉教育の振興に関する大綱(令和5年9月改定)において、施策の根本的な方針の一つに「確かな学力と自立する力の育成」を掲げています。あなたは、それぞれの力をどのように捉えてますか。あなたの考えを述べなさい。また、このことを踏まえ、あなたはどのような教育実践をしていきますか。具体的に述べなさい。」
②集団討論(90点)
試験時間50分、試験官3名
討論題「自己肯定感と自己有用感を高めるにはどうするか?同じ職場の教員として話し合ってください。」
![](https://assets.st-note.com/img/1735685062-yrpqgF9GPbtODuQRNHcjhA6Y.jpg?width=1200)
入室すると、受験者はABCDE…とアルファベットの書かれたネームプレートのある「ロの字型」のテーブルに着席をします。
まず、最初にお題が書かれた紙を渡されます。次に、各自で考えてメモを取る時間が3分間与えられます。
3分経過後、試験官からの合図があり、司会を決めて討論が開始となります。なお、終了10分前には、試験官からのそのお知らせがあります。
※試験官は、受験者の「ロの字型」のテーブルの外側に用意されたテーブルに座り3方向から討論の様子を見ていました。途中2回、試験官が一斉に立ち上がり、受験者の表情を公平に見られるよう、時計回りに移動をしていました。
③適性検査(配点なし)
マークシート形式
約300問の質問に、ただひたすら回答する。
2日目 埼玉県立総合教育センター(行田) 8月18日(日)
実技試験(50点)
①筆頭試験
試験時間4分、6人同時に実施
お題「エタノールと水の混合液の蒸留実験で安全指導で気を付ける点を3つ書きなさい。」
②実技試験
試験時間5分、6人同時に実施
お題「石灰石と塩酸を使って二酸化炭素を発生、同定する実験」
点検されるポイントは、以下の2点
(1)石灰石を2.0g取る。±0.1gは許容。
(2)薄めた塩酸を8.0ml試験管に取る。
3日目 埼玉県立春日部高等学校 9月1日(日)
個人面接(100点)
試験時間30分、試験官2名
①はじめに、受験番号と名前の確認
②場面指導、考える時間2分、実践3分以内
お題「あなたは、中学2年生の担任です。修学旅行中、判別行動の時間に、1人でいる生徒Cさんを見つけました。あなたはどう対応しますか?」
③個人面接
Q.生徒Cさんの行動の背景は何だと思いますか。
Q.他の班員への対応はどうしますか?
Q.教員を志望した理由は何ですか。
Q.わかる授業とは何ですか。
Q.あなたの学級の生徒は、あなたに何を期待すると思いますか。
Q.体罰とは何ですか。また、体罰をしないためには何をしますか。
Q.同僚とのコミュニケーションをする上で、気をつけることは何ですか。
Q.生徒が「相談があるので、LINEを交換してほしい」と言ってきたらどうしますか?また、断る理由何ですか。
Q.成績に不満があると保護者が申し出てきたとします。あなたはどうしますか。
Q.教師になったら頑張りたいことは?
Q.最近の教育関係のニュースで気になるものを教えてください。
(私の回答に対して深掘りをする質問が含まれるため)
(2)私が気付いた「合格に必要なポイント」
(2)-1「論文試験」のポイント
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(2)-1-1「意見を述べる」
「論文試験」において何よりも大切なのは、「自分の❝意見❞があること」です。知識を問う専門科目の試験とは異なり、論文試験に「暗記」は必要とされません。これを書けば正解というものがないからです。
自分の意見を述べるスキルは、学校の先生をするにあたっても超重要なスキルです。「事実」と「意見」を切り分けて、論文題に正対することがポイントです。
試験前だけでなく、普段から学力や教員としての資質、教育ニュース等に関して、自分の意見を表明できるようにしておくことが大切だと改めて感じました。
※事実、今年度の論文題も県の方針を示され、それに関する意見と今後の実践について聞かれました。
私は今年度、以下のサイトで過去の論文題を見て練習をしました。(サイト主の方に大変感謝しております)
自分の意見を表明する思考について、私はこちら(↓)の本で鍛えました。
(2)-1-2「書く技術」
続いて、「論文試験」で大切なのは、書く技術です。
しゃべりが仕事の教員ですが、書くのが苦手という人も多いのではないでしょうか。
「R80」はビジネスマン向けに書かれた本です。しかし、教員や生徒の書く技術を向上させる大変有効な一冊となっています。
1時間で読めて、実践的な内容が満載です。
どんなに遅くとも、採用試験の3カ月前には読んで、「接続詞を挟んだ2文、80文字以内で書く」練習をして書く技術をゲットしましょう。
資料 令和7年度埼玉県公立学校教員採用選考試験選考方針
(小学校等教員・中学校等教員・養護教員・栄養教員)
![](https://assets.st-note.com/img/1735875131-fgubU6twy48KQnNXdMYeSxjE.jpg?width=1200)
(2)-2「集団討論」のポイント
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(2)-2-1「敵ではなく、みんなで合格を目指す!」
集団討論での合格ポイントは、ずばりチームワークだと考えます。
同じグループになった人と、連携した方がいいです。
私は司会者に立候補したので、受験者全員に発言の機会があるように話題を振りました。
また、司会以外の受験者も、「私はこういう意見なのですが、みなさんどんな意見をお持ちでしょうか?」と他者に意見を求める言い方をしている人もいました。
チームワークを駆使して、50分間を有意義な時間にすると良いのだと思います。
私が集団討論で定義する唯一の失敗は、「『言いたいことが、言えなかった。』と思う、受験者を出さない。」です。これさえ、回避出来たら成功と決めて試験に臨みました。
(2)-2-2 追記
集団討論の前に、少しでも時間があれば廊下で待っている間に一言、二言でいいので、同じ討論メンバーとあいさつを交わすと良いかもしれません。
理由は、あいさつをすることで緊張が緩和されるのと、わずかですがメンバーの性格が読み取れるからです。司会が得意そうな人かどうか、状況に応じて周りに話題を振ってくれそうな人かどうかなどを予測することができます。
ただし、言うまでもありませんが、部屋の中では、試験が行われていますので、周囲の迷惑にならないように十分お気を付けてください。
資料 令和7年度埼玉県公立学校教員採用選考試験選考方針
(小学校等教員・中学校等教員・養護教員・栄養教員)
![](https://assets.st-note.com/img/1735875745-spWbJ9dyHZYE7c5l0vjLOkqR.jpg?width=1200)
(2)-3「個人面接」のポイント
![](https://assets.st-note.com/img/1735885394-7gID3eJtd0ZXspvjWirHP2E9.jpg?width=1200)
「個人面接」は2次試験において、最も配点の高い試験種目です。
私個人の感想ですが、緊張の度合いも一番高かったです。
そのため十分な対策をしておくことが求められます。
(2)-3-1「とにかく❝普段❞の実践をしゃべる」
面接試験において、絶対にしない方が良いことは何か?それは、面接ウケしそうな内容をその場で考えて答えることと、私は断言します。
なぜなら、ただでさえ緊張する面接中に自分が普段、考えていないこと・思ってもいないことをしゃべっても自分が不利になるだけだからです。
前半の(1)「試験の内容」③個人面接 にも書きましたが、面接では受験者の回答を深掘りする質問がされました。自分が普段から心がけていないことを深掘りされたら、余計に緊張してあたふたするだけです。
質問には、とにかく❝普段❞の実践をしゃべるに尽きます。
教職経験者であれば、「主体的・対話的で深い学び」「アクティブラーニング」など、国や県が推進する授業スタイルを、ご自身の普段の授業で取り入れ、自分のポートフォリオとして提示するのです。自分の得意分野で深掘り質問をされたら、ご自身の良さを最大限に表現できるはずです。
「主体的・対話的で深い学び」は研究授業のときだけ。「アクティブラーニング」はなんとなくやっている…では到底、太刀打ちできなかったと私は感じました。逆説的ですが、普段から生徒のために、授業法改善をしている先生が、採用試験において有利と言えるでしょう。
大学生の方でしたら、上記のような授業法を積極的に取り入れ、子どもたちが前のめりに学習に取り組む授業を展開したいと、未来志向で回答すればいいと思います。
埼玉県の採用試験ですので、県の求める教師像と自分をマッチさせていきましょう。
(2)-3-2「ブレない自分の教育方針をもつ!」
「第4期埼玉県教育振興基本計画(令和6年度~令和10年度)」など、埼玉県の教育方針に沿うことは大前提として、ブレない自分の教育方針をもつことは、試験の合格うんぬんを以前の大切なことです。
私は、生徒と「対等」に接することを軸に授業や学級経営をしています。
教員と生徒で役割こそ違えど、人として対等な関係でコミュニケーションを取るようにしています。
予想していなかった質問や、深掘り質問をされたときも、落ち着いてこの「対等」を軸にして回答をしました。
とにかく、普段の実践、あるいはこれまでの人生で大切にしてきたことを軸にすることが面接試験においては、特に重要であると考えます。
(2)-3-3「人脈を駆使し、感謝を伝え、とにかく練習をするのみ!」
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と似ていて、私は「練習のミスは一時の恥、やらぬは一生の恥」だと思い、面接の模擬練習をしました。
大変ありがたいことに、私は同僚のつてで同じ市内で採用試験を受ける仲間と一緒に面接練習をさせていただきました。また、管理職の先生にもフィードバックをいただきました。
論文試験や、集団討論、実技試験等と、「個人面接」は一線を画します。なぜなら、研修レポートを書いたり、会議で話し合ったり、普段の授業実践の一部を見せる前述の三つの試験種目と「個人面接」は属性が異なると考えるからです。目の前の試験官から直接質問を受けて回答をする「個人面接」は、普段の学校業務にはない要素が多分に含まれるのです。
こればっかりは、練習する場を設けなくては、にっちもさっちも行かないのです。
とはいえ、いざ練習に臨もうとすると、恥ずかしい気持ちになるのも分かります。学校の先生は普段、子どもたちのお手本になることが多いため、誰かに改善点を指摘をされたり、フィードバックを受けることに慣れていないからです。
しかし、これをやらずして合格はあり得なかったと振り返ります。
事実、個人面接には、場面指導が含まれており、架空の設定での自分の指導を客観的に分析することは、一人では困難であると思うからです。
仲間と励まし合いながら、真剣に練習ができたことは自信に繋がりました。
また、一緒に勉強したことで、過去の個人面接で聞かれた質問を仲間同士でシェアできたことも合格に繋がった大きな要素であったと認識しています。
練習に参加するかどうかで迷ったら、GO‼一択です。
もし、身近で練習仲間が見つからなかったら、初任者の先生や、採用後数年の若い先生にお願いをして実際に質問された内容で面接練習をしてもらいましょう。
学生の方であれば、教育実習先でお世話になった先生、あるいはこれからお世話になる先生(実習が後期日程である場合)に相談をしてみてください。かつて、私は理科の実技試験対策として、指導教官の先生に夏休み、実験室を貸していただいたこともありました。未来の教育を担う後輩からの頼みを、むげに断る先輩教員は埼玉県にはいないはずです!
資料 令和7年度埼玉県公立学校教員採用選考試験選考方針
(小学校等教員・中学校等教員・養護教員・栄養教員)
![](https://assets.st-note.com/img/1735884577-Zh8NrwaozVy49bLAJclGI2im.jpg?width=1200)
おわりに
大変長々とした、投稿になりました。
最後までお読みくださりありがとうございます。
私が享受したことを、これから採用試験を受けられる方にお伝えしたく、本投稿に書かせていただきました。
後半の(2)私が気付いた「合格に必要なポイント」は、私見のかたまりでしかありません。実際に試験を受けたて感じたことを、忘れぬうちにメモをして、このほどnoteにまとめたものです。
これから埼玉県の公立学校教員を目指される方に、ひとつでもお役に立てる要素があったら幸いに存じます。
「豊かな学びで 未来を拓く埼玉教育」これは、第4期埼玉県教育振興基本計画の基本理念です。
共に、教育の現場で子どもたちの笑顔をつくっていきましょう!