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不況下、就職難に苦しむ中国の高学歴の若者のピボットに学ぶ
BBCニュースによる中国の就職難事情
先日、気になるニュースをBBCで読んだので、それについて僕の感想を書いていこうと思います。
この記事のタイトルは、”China's overqualified youth taking jobs as drivers, labourers and film extras”とあります。”ドライバー、肉体労働、映画エキストラをやるには、必要以上の学歴がある中国の若者”といった意味です。記事の内容は、大学院の修士など超高学歴の若者たちが、中国経済が悪化する中、良い職を見つけられずに、火鍋レストランの接客やったり、マッサージクリニックの訓練生になったり、セリフのない映画のエキストラをやっている惨状をレポートしている。彼らの親は、「苦労して、子供を良い学校出させたのに、とんでもない」とショックを受けているようです。
難局では、発想を転換し、ポジティブにとらえて、迷う事なくピボットする。
この記事は、香港科技大学で金融学の学位をとり、現在、マッサージクリニックの研修生になっているWu Danさんの以下のようなコメントで総括します。
The lack of confidence in the trajectory of the Chinese economy means young people often don't know what the future will hold for them.
Wu Dan says even her friends who are employed can feel quite lost.
"They are quite confused and feel that the future is unclear. Those with jobs aren't satisfied with them. They don't know for how long they can hold onto these positions. And if they lose their current job, what else can they do?"
She says she will just "go with the flow and gradually explore what I really want to do".
”中国経済の軌道に対する信頼の欠如とは、つまり、若者たちが自分達の将来がどうなるかわからないと考えているということなのだ。Wu Danさんは、会社勤めしている彼女の友人達さえ途方にくれるいる、という。
「彼らは混乱していて将来は不透明だと感じています。仕事についている人でもその仕事に満足していません。そのポジションにどれくらい長くい続けられるのかわかりません。そして、今の仕事を失ったら他に何ができるのでしょうか?彼女は「流れに身を任せて、自分が本当にやりたいことを徐々に探っていく」と言う。(筆者訳)
中国経済の悪化は、日々新聞で取り上げられるけれども、生活者のリアルな声を聞くことはあまりなかったので、少々驚きました。
でも、この記事で大変印象的だったのは、そこではありません。
それよりも、高学歴の若者たちが、自分で獲得してきた学歴にしがみつき、それをどうにか利用してお金を稼ぐ方法を考えるのではなく、思い切り方向転換をする潔さに関心しました。Wuさんのコメントは、悲壮感を感じる人もいると思いますが、僕はそれよりも、「苦難を機会に変えなければしょうがないでしょ」という踏ん切りの良さを感じます。
彼女の事例以外にも金融学の修士号を持った男性が将来レストラン経営をするために火鍋レストランのウェイターとして修行している男性のインタビューも掲載されています。
いつの時代でも、どこの国でも、どんな人にでも苦難が訪れます。そんな時、大切なのはピボットできる意志と発想転換だと思います。短期で見ると悲惨なことが長期で見ると実は、幸運だったということが往々にして起こります。
これから起業をする僕にこの記事は勇気を与えてくれました。