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No Rain, No Rainbow⑤
バレンタイン当日のランチは、
予約で満席。
ランチ後もクローズ時間ギリギリまで
カフェ利用の客で満席状態が続いた。
ショコラブリュレは早々に完売し、
ショーケースの中も、冷蔵庫の中も、
気持ち良いくらいスッカラカンになった。
2月に入ってから今日まで、
まるで毎日がフルマラソンのように
激走を続けてきた。
それこそ、
朝から晩まで店のキッチンに缶詰状態で、
スマホをチェックしたり、
余計な
No Rain, No Rainbow④
「本社に戻る前に、一度会いたい」
という連絡が聖人から来たのは約3週間前。
スケジュールがなかなか合わなくて、
結局、今日になってしまった。
バレンタインだからか、
街ですれ違うのはカップルが多く、
その表情は誰もが幸せそうに見える。
“3年ぶりの再会が、
バレンタインだなんて・・・”と、
複雑な思いを巡らせながら
待ち合わせのお店に行くと、
聖人は可愛らしい女の子と一緒に
テーブルについて
No Rain, No Rainbow③
~Sweet Encounter~(・・・俺は一体、何をした??)
テーブルに戻ってきた俺は、
動揺していた。
勢いで彼女の元へ行ったのはいいが、
立ち去ろうとする彼女の腕を
反射的に掴んでしまう・・・という
失態をやらかしてしまった。
ソーシャルディスタンスで
誰もが他人との距離を意識的に開ける中、
いきなり腕を掴まれたら、
誰だって彼女のように
身体を強張らせるだろう。
気分を悪くされ
No Rain, No Rainbow①
~No Rain~ コーヒーマシンのボタンを押しながら、
これまでに飲んだエスプレッソの杯数を
頭の中でカウントする。
いつもは自宅か開店前の店で
事務作業をしているけど、
今朝はなぜか
自宅マンションに隣接している
このファミレスに足が向いた。
モーニングを食べながら、
今週分の売り上げや在庫等、
データを打ち込んでいく。
営業時間を短縮しているせいで
売り上げは開店当初
No Rain, No Rainbow②
~No Rainbow~「うわっ、マジかぁ・・・」
窓の外を見て、
私は思わず小さな声をあげた。
天気予報では
夕方から降り出す予定だったのに、
景色が真っ白になるくらい
強い雨が地面に打ち付けてる。
通りの向かいにあるコンビニで
傘を買って帰ることも出来るけど、
今はその距離さえも歩ける状態じゃない。
明日の商談の資料も大体まとまって、
帰る気満々で席を立ったのに、
まさかの足止めにため