南インドの映画の話
最近興味を持ち始めたにわかファンなので、認識に誤りがあったら優しく指摘してほしいところ。
半月ほど前に、インドで空前のブームを巻き起こしている『RRR』を観たという記事を書いた。
あまりにも良すぎて、2回も劇場で観てしまった。
この作品、先週に世界興収が1,000カロール=100億ルピー(約160億円)を越えたと発表され、インド映画歴代3位に躍り出た。
ちなみに2位は、同じ監督が制作した『バーフバリ 王の凱旋』。
2位を抜けるかは、中国で公開されるかどうかにかかっているらしいが、今のところ『RRR』が中国で公開されるという情報はないとのこと。
そして、先週はトップスターThalapathy Vijayが主演の『BEAST』を観に行った。
上記の『BEAST』だが、初見の感想としては個人的にはイマイチといったところ。
ぼくの言語能力の問題も大きいので、公平なジャッジではないのだが、実際のところインド人の間でも作品の評価は分かれているらしい。
「Vijayはステキだけど、ストーリーはちょっとね…」という感じ。
で、実は今、『BEAST』と同時期に公開され、インド中で注目を浴びている作品がある。
それが、これ。
『KGF Chapter2』
Chapter2と書かれている通り、この作品は2018年に公開された映画の後編である。
Thalapathy Vijayのお膝元、タミル・ナドゥ州でも『BEAST』がかすむレベルで 『KGF』熱が高まっているので、その人気は「本物」である。
ぼくも観に行きたいと思っているのだが、いかんせん前編のChapter1を鑑賞していないので、足踏みしていた。
しかし、先日、有益な情報をゲット。
何と、YouTubeでフル動画が公開されているのである。
違法アップロードかと思ったら、正式なフィルム会社(?)が公開していた。
太っ腹である。
仕事が落ち着いたら、Chapter1を鑑賞して、それから映画館へ乗り込もうと思っている。
さて、実はここまでは長い前置きで、ここからが今日の本題。
今までのnoteでも度々書いてきたが、「インド映画=ボリウッド」ではない。
ボリウッドとはムンバイで作られたヒンディー語映画のことを指す言葉で、多言語国家のインドでは、ヒンディー語以外の映画も大量に制作・公開されているからである。
前置きの段階で、今注目を集めている3本のインド映画を紹介した。
『RRR』と『BEAST』と『KGF』。
そしてこの3本、実はそれぞれ言語が異なっている。
『RRR』はテルグ語(アンドラ・プラデーシュ州)。
『BEAST』はタミル語(タミル・ナドゥ州)。
『KGF』はカンナダ語(カルナータカ州)。
この3つは主に南インドで使用される言語で、ルーツが同じであるため、まとめて「ドラヴィダ語族」と言われている。
テルグ語は、ヒンディー語、ベンガル語に次いで話者が多い言語であるため、映画の市場規模は大きい。
タミル語は、スリランカやシンガポール、マレーシアにも母語とする人がいるため、こちらも映画の市場規模は大きい。また、タミル映画はたまに日本でもヒットを飛ばすことがある。
一方、カンナダ語は少数言語ではないものの、インド国内でもややマイナーな言語であるため、映画の市場規模はそこまで大きくなかった。
ただ、ここ数年は『KGF』をはじめとしたヒット映画をいくつか世に送り出しており、インド国内でも徐々に存在感を出し始めているらしい。
上記の3言語と同様に「ドラヴィダ語族」に分類されているメイン言語がもう一つある。
それは、主にケララ州で話されているマラヤラム語である。
最近の代表的なマラヤラム語映画が『グレート・インディアン・キッチン』。
社会問題にメスを入れた本映画は、今年の1月に日本でも公開され、ちょっと話題になった(?)らしい。
マラヤラム語話者が多いケララ州は、インド国内でも教育水準が高いことで知られている。
そのため、マラヤラム映画は社会的なテーマを取り扱っているものが多く、他のインド映画とは一線を画しているとのことである。
以上、南インドを代表する4言語の旬な映画情報を取り上げたが、州(言語)によってそれぞれ映画の特徴が異なるのが興味深い。
というわけで、日本でインド映画が公開された際は、何の言語で制作されたものかに注目してみると面白いと思う。