カルナータカ旅行8日目 チャンナラヤパトナ(Channarayapatna) → マンガロール(Mangaloru)
滞在しているチャンナラヤパトナの近くには、壮大な寺院遺跡がある。
今から900年ほど前に存在していたホイサラ朝の都として栄えていたものだ。
しかし、チェンナイを出発して1週間ほどが経った現在、海が恋しくなってしまったので、一気にアラビア海に面したマンガロールまで行くことにした。
チャンナラヤパトナのバスターミナルに行き、マンガロール行きの直行バスはないか係員に尋ねると、「あそこで1時間待て」とバスターミナルの隅を指さされる。
インドの1時間はいつになるか分からない。
チャンナラヤパトナからバスで1時間弱行ったところに、ハッサンという地方都市がある。
ここからハッサンまでのバスと、ハッサンからマンガロールまでのバスは頻繁に往来しているとのこと。
ちょうど目の前にハッサン行きのバスが現れたので、とりあえずハッサンまで行ってみることにした。
45分ほどでハッサンに到着。
マンガロール行きのバスに乗り換え、30分後にはハッサンを出発していた。
順調な滑り出しだ。
ハッサン・マンガロール間は、山をむりやり切り開いて均したような細い山道で、いろは坂のような急カーブの連続だった。
その一方で物流の大動脈になっているようで、大型トラックが列をなして行き交う。
デカン高原に別れを告げ、バスは標高を下げる。
山から下りて海に近づいていることが肌で分かる。
ひんやりと乾燥していた空気が、急に湿り気を帯びたものに変わるのだ。
気温も少し上がったようで、座っているだけなのにじんわりと汗ばむ。
距離の割には時間がかかって、ハッサンから5時間でマンガロールに到着。
アラビア海に面したマンガロールは、ちょっと栄えた程度の港町だと思っていた。
しかし実際に着いてみると、その予想は全く外れていたのだった。
非常に洗練された港湾都市である。
ショッピングモールやファストフードチェーン店、こぎれいなカフェが至る所にある。
バンガロール同様、若い女性はあまりサリーを着ていない。
チェンナイよりも街の規模は小さいだろうが、チェンナイよりも洗練されている印象を受ける。
ただ、この「洗練されている」というのは西洋化が進んでいるという意味で、ネガティブな言い方をすると、インドらしさが希釈されている。
どちらが魅力的かは人それぞれだが、どちらにせよマンガロールはびっくりするくらい都会なのだった。
ケララ北部からカルナータカにかけての沿岸地域は、トゥル・ナドゥ(Tulu nadu)と呼ばれている。
トゥル語を話す人々が暮らす地域という意味で、カルナータカ州の内陸部とは異なる文化を有している。
その中でも代表的なものが、自然崇拝的な神憑きの儀式ブータ・コーラ(Buta Kola)だ。
このブータ・コーラを題材にしたカンナダ語映画『KANTARA』が今年の秋に公開され、大きな話題を呼んだ。
さて、市内バスが往来するターミナル近くのゲストハウスにチェックイン。
海にも近い。
時刻はもう夕方だったが、アラビア海を見に行くことにする。
海に向かうと、昔ながらの倉庫街の雰囲気が漂う。
ついにアラビア海に到達!
街の海ということで、当然ながら海水は綺麗ではない。
バスターミナル周辺を少しだけ散策。
夕飯を食べて、今日は終了。
移動が多い日でした。