『年収と酒と幸福と』
めっちゃこんにちは。
新卒で入社したビールメーカーで5年間、営業マンとして年350日以上外食をしていた男だ。
突然だが、あなたは居酒屋が好きだろうか。
私は好きだ。
あなたは、幸福が好きだろうか。
私は無類の幸福好きである。自分の幸福で白飯3杯イケる。
ここで朗報だが、居酒屋は幸福を生む優れた施設である。
日本円を支払うことで、美味しい食事・酒、素敵な空間・サービスを受けられる。こんなにも器の大きな施設が他にあっただろうか(反語)
居酒屋で語らい合う時間には、幸福がパンパンに詰まっている。
まるでキャッシュレス普及前の小銭入れのごとく。
少し待ってほしい。
この施設では投資額が増えれば増えるだけ、1店舗へ支払う会計が高いほど、幸福度は高まるのであろうか。
お通しの煮込み、ならびにビールへ伸ばす手を止め考えたい。
年収と幸福度の相関
この図をご存知だろうか。
カーネマンという教授による研究で、年収と幸福度の「限界効用の逓減」を示したものだ。
これは、学生バイトで年収50万→100万に上がる方が、年収1,800万→1,850万になるより幸福度が高まることを示す。
同じ中古のワゴンRに匹敵する金額、50万円の変化があるのに、である。
居酒屋の客単価にも当てはめる
この考え方が、幸福製造施設である居酒屋にも使えそうである。
私が今まで足しげく通った、各階層の客単価の居酒屋について、個人的な外食史を遡り確認していきたい。
2,000円台
学生時代。
みんなの幸福製造施設、居酒屋の門にはじめて立った頃。
全品280円だった鶏居酒屋チェーン。
5本の揚げパスタが料理としてカウントされた、3品付飲み放題。
客単価2,000〜2,500円ぐらいではなかっただろうか。
4,000-5,000円台
新卒で企業に入社。「ボーナス」なる舶来の言葉を添えて、まとまった額が銀行口座に刻まれるようになる。
この時期、鮮魚に自信のある居酒屋を覚えだす。客単価4,500〜5,000円。
学生時代と比較したこの客単価倍増は、感動を覚えるレベルの幸福度のアップであった。
高低差ありすぎて耳キーンなるわ、である。
10,000円台
少し大人になり、責任とやりがいのある仕事も任されるようになる。
会食・接待で客単価は更に倍。10,000〜15,000円。これでも安い方だと言われる。
ダウンライトを使った雰囲気ある内装、「ボトルワインのメニューは別でご用意しております」
脳内で臨界点を超えた音がし、庶民の私は肌で感じる。
これが「限界効用の逓減」か。雷鎚に打ちひしがれた思いがする。
足るを知る
上記の過程を経て、自分にとってベストな客単価に自信を持つ。
ここからは、客単価4,500円の世界における比較の目が養われていく。
要望に合わせ、友人知人へ4,500円居酒屋を紹介できるようになり、歩く「4,500円食べログ」と呼ばれるに至る。
自分の土俵で相撲を取るとは正にこのこと。
町中華で上手投げ、大衆酒場で寄り切り、焼鳥でうっちゃりである。
ただ、これは一庶民である私が身の丈を知ったに過ぎない。ここからわかるのは、お金という共通の尺度、かつ居酒屋というお店に揃えて測ったとしても大きく価値観に差が生じるということである。
結び
年収もベスト客単価も「限界効用の逓減」ポイントは皆それぞれに存在するのだろう。
興味深いのは居酒屋の例でわかる通り、自身の臨界点を超えない限り、自身の身の丈の理解ができないという点である。
また既出の曲線における序盤、急斜面を登っている時が一番楽しいのではないだろうか。
あなたは他人の土俵ではなく、自分の土俵で最大満足ポイント探ってほしい。
同じ人間でも、あなたとギャル曽根の胃袋のキャパシティは異なることを念頭に置いて。
素敵な仲間と自分の足が向くお店へ、夜の街へ繰り出そうではないか。
星の瞬く今宵の空に、はっけよい、のこった。