年の瀬、四国の右下旅〜悲喜交々のモードチェンジ〜
2022年最後の旅は、四国の右下の方へ鉄道&バス旅に出掛けることにした。
一応今回のメインは、列車と車がひとつになり、線路と道路の両方を走る阿佐海岸鉄道のDMV(デュアル・モード・ビークル)。
世界初となる営業運転開始からちょうど1周年を迎えた、すごい乗り物に乗りに行く。
1日目:徳島駅〜日和佐駅
とはいえ、いつも通りゆらりゆらりと適当に車内で過ごしたり途中下車してみたりといった旅のスタンスは変わらない。
バスで明石海峡と鳴門海峡を渡り、いざ四国へ。
徳島駅から鈍行列車に乗り込み南下し、日和佐駅前で宿泊。
海沿いや山間を走るディーゼルカーに揺られ、徳島の夕方の優しい風景を眺めていると、ぎちぎちだった心がほどけてゆく。
2日目:DMVで県境越え
次の日は朝から早速DMVのモードインターチェンジがある阿波海南駅へ。
ここで車→鉄道モードに切り替わるのである。
モードインターチェンジでは、乗客が乗り込んでからモードチェンジが行われる。
乗客の私たちはタイヤと車輪が入れ替わる様子を直接見ることはできないので、車内モニターにて映像を見守る。
(中川家礼二の言葉を借りると「外にも目が欲しい」状態)
このモードチェンジが非常にシュールでおもしろい。
突如、\チャンカチャンカ♪そ〜れ!/
という微妙な音質で謎のお祭り感溢れる音楽が流れる中(地元高校生による太鼓演奏らしい)、モードチェンジが行われ
\フィニッシュ/
というコールで終了する。
なんというか、コテコテでなのである。
この日の乗客は、地元の方、お遍路さん、鉄分補給中と思しき男性たちが数名、ごちゃまぜな感じでほぼ満席。
基本みんなソロなので、「お〜!」とか盛り上がるわけでもなく、静寂の中で謎のお祭りモードチェンジが粛々と行われる。
こういう微妙な空気感、嫌いじゃない。楽しい。
参考:下記動画の1:00くらいからモードチェンジ開始。
どちらのモードもすこぶる乗り心地良く、車窓からは、きらきら輝く冬の朝の海。
年末(30日)とはいえきっちり平日ダイヤで運行しており、乗れる区間は観光を意識した土日より短く、たった30分程度の乗車時間だったが、それもまたDMVの日常に飛び込めた感じがして嬉しかった。
DMVはこの地域でどんな役割を果たし、どんな変化をもたらすのだろう。
来たことのない土地で、乗ったことのない乗り物に揺られながら、地方鉄道の行方に思いを馳せてみる。
己のモードチェンジを考える
2022年はとにかく仕事を頑張った1年だった。
なかなかの荒波に揉まれながらも、体調管理やペース配分をどうにかこなしながら、海底に沈むことは回避しながらなんとか耐えた。
だがしかし、そのひずみが師走にかけて一気に押し寄せ、最後の方は仕事の忙しさと疲れを言い訳に、なかなか気持ちを立て直せないことが増え、1番大切にしたい人間関係を自らの手で潰しかけてしまった。危なかった。
ここはもうDMVにあやかり(こじつけ)、2023年のテーマは「モードチェンジ」にしようと決めたのだった。(安直)
オンオフをうまくモードチェンジできればなぁとは思うものの、真面目故、それがまた義務感になってしまう。
ワークライフバランスの強要は健康に悪い。
なので、DMVに倣い、せめて愉快にモードチェンジしたい。
モードチェンジそのものの瞬間を大切にするのだ。
通勤電車で聞くラジオのチョイスにこだわるだとか、
金曜日の夜にきちんとドキュメント72時間をリアルタイム視聴するだとか。
やってることはこれまでと変わらないが、「今わたしモードチェンジ中」と強く意識してみることにする。ささやかな戦略である。
それでもなんだかうまくいかないなぁという時は、
「チャンカチャンカ♪そ〜れ!」と心にお祭りモードチェンジを巻き起こすことにしよう。
非日常の体験と記憶は、毎日を漕ぎゆく櫂になってくれると信じ、今年も日常を旅してゆく。
noteでゆるやかに繋がってくださっているみなさま、今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。