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ぐにゃぐにゃの道で楽しい④橋の見える島、本島で
2023年始ぐにゃぐにゃの島旅シリーズのつづき
直島から高松に渡り一泊。
マッサージ機使い放題&漫画読み放題のビジネスホテルにて、「ミステリと言う勿れ」を夜中1時まで読み漁り、こんなり面白いならドラマを観ておけばよかった…と後悔。
高松の夜は、いつだって自分の住んでいる街のように落ち着くのだ。
それはさておき、旅の最終日の予定は未定。
ことでんで年始恒例の金比羅さんでも行くかな〜と適当に考えつつも、やはりアイランダーたるもの、たとえ日帰りでも島に渡る可能性は捨てきれない。
あれこれ調べていると、なんと丸亀市で公共交通機関無料キャンペーンが行われていることが発覚し、丸亀港からの船代もタダとのこと。
(2月末まで継続中!)
以前から気になっていた塩飽諸島の本島に渡ることに決定した。
1月初旬ながら、これぞ瀬戸内気候という穏やかな日差しの中、ぽかぽかと最終日がスタート。
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船のデッキに出て潮風にあたりながらのんびりと瀬戸大橋を眺めているうちに本島に到着。
さっそく港でレンタサイクルを調達し(500円)、なんとなく島内を走らせることに。比較的平坦な道で走りやすい。
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本島は瀬戸芸の会場の一つでもあるので、島内のいたるところでアート作品を見ることができる。
幕末に太平洋を横断した咸臨丸の水夫を多く輩出した島で、アート作品も咸臨丸にまつわるものがいくつかあった。
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瀬戸内海に馴染んだ水夫たちにとって、太平洋横断はどんな旅だったのだろう。
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「咸臨の家」
瀬戸芸会期中は中も展示されていたらしい。
この色合い、すごく好き。
年末の旅で高知を訪れた際、坂本龍馬記念館の関連展示で咸臨丸の情報にも多く触れていたので、なんだかわくわくした。
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身体によし、居心地よし。
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お昼ごはん後、伝統的な町並みが残る笠島地区までサイクリング。
笠島地区は、外敵を惑わすため路地が複雑に入り組み、見通しが悪いまさにぐにゃぐにゃの道。力強く、美しい町並みにわくわくが止まらない。
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手前には苔まみれの椅子
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この日は地区で人間と1度もすれ違わず、異世界に来てしまった気分だった。
戦国時代は塩飽水軍の本拠地として、江戸時代以降は城下の港町として栄えたこのまちの深い歴史をじんわり味わうことができた。
島にいたほんの数時間、古くから水軍の本拠地だったり、自治権を許され独自の政治システムが確立していたりといった誇り高い一面や、人々の暮らしや文化と自然が共存する穏やかな一面など、そこにある建造物や島の歴史をモチーフにしたアートを手がかりに、様々な本島の表情を知ることができた。
そんな人々の営みを横目に、瀬戸内の海はいつの時代も青くて美しかった。
堂々と架かる瀬戸大橋を眺めながら、橋のなかった時代の海に想いを馳せてみた。
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