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認定調査、その午後。

父の認知症が発覚し、一番最初に危機を感じた事。

そう、車です。

ニュースを見ると「高齢者の事故」が、頻繁に報道されている。単独の事故ならまだしも、人様に迷惑をかけてはならぬ。

それが未来ある子どもだったら。

幼いのと、思春期の子を持つ親として、恐怖でしかない。なので、早々に鍵は回収していた。


管理・維持費も考えると、早々に処分したかったのだが、処分に必要な、母の印鑑証明書がないのだ。

どこにも。一度視認しているにも関わらず。

勝手に私物を触ると、認知症患者は怒る事がある。

その母は入院中、今が家探しのチャンス。とりあえず、ありそうな引き出しを、一個ずつひっくり返す。


しかし、時間をかけて、大量の引き出しをひっくり返し、大量のゴミを生み出しても出てこず。

「よし、帰ろう。」

退院日に、母を連れて市役所行こう。万事、諦めが肝心。

両親の住む自治体は、マイナンバーカードがあれば、コンビニで市町村の発行する、各種証明書が取得できる。
しかし、母はパスワードを完全に忘れているので、市役所での再設定が必要。そして、本人でなければ、手続きが煩雑。連れて行くのが一番良い。



父の受診日を確認して帰ろう、とカレンダーに目を移すと、

「8/21 〇〇園 14:50〜」

お世話になっている地域包括支援センター、が運営する、施設の名前と、予定時間が書いてある。



私「何これ?」

父「何って。送迎の仕事だわ。」

私「いやいや、運転できないでしょ。」

父「何でだ⁉︎」


久しぶりのやりとり。全く聞く耳持ってもらえず。事情もわからず。巻き込まれた形の、地域包括支援センターに相談しよう。

「…という事がありまして…。」と、全く分からない事情を、分からないんですけど、と伝える。


「調べた所、送迎バイトの面接予定に、◯◯さん(父)が入っていました。ただ、ハローワークの書類を持っていたので、こちらでは断れないんです…。」

なんと、証明写真を撮り、履歴書を書き、申込みをしていた。


認知症、恐るべし。



すると、

「とりあえず面接を受けてもらって、納得して帰ってもらいますね。」


止めても駄目だから、対応してくれると。認知症対応を知ってるとはいえ、ここまで時間と手間をかけてくれるなんて。


申し訳ない事、山の如し。

本当にありがとうございます。


続く。

介護認定の調査は、こんな感じでした。↓

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