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毎週火曜9時は「大豆田とわ子と三人の元夫」

テレビを見てこんなにテンションが上がったのは久しぶりだった。

「カルテット」で知って以来大ファンになった坂元裕二脚本だということで、情報解禁された時から楽しみにしていた。

ドラマを見ている間は、当たっていることが分かっている宝くじの番号をもう一度確かめるような、現実に変わりつつある期待と、「面白くなかったどうしよう」という謎の不安に挟まれる気持ちで、ワンシーンワンシーンをなぞっていた。

終盤間際、とわ子が田中(松田龍平)の家を出ていく時に「一番最初に飼ったペットの名前は?」と聞くシーンで、そうそうこのテイストよ!と安心し、最後桜の舞う中公園のブランコを4人でこぐシーンを見たところで、拍手。

「今回も間違いない」「やっぱ坂元さん好きだわ」、と安心してソファにもたれかかったのも束の間、エンディングでまさかの衝撃が待っていた。

そう、KID FRESINOの登場である。

ボーリング場で一瞬登場したところで、ソファから立ち上がり、エンディング曲が流れる頃には、一人興奮しながら「フォーーーー!!」と叫んでいた。(迷惑)

Twitterで水曜日のダウンタウンのプロデューサーである藤井健太郎氏が、このドラマに携わっていることをつぶやいていて、「(このドラマ)フジテレビだしどういう関わり方なんだ?」「ドラマとはいえ、テレビでのコメディ演出のアドバイザーかな?」などと考えていたが、ドラマ放送後、主題歌のプロデュースに携わっていたと公表。

「坂元脚本」×「STUTS+KID FRESINO主題歌」でそこに藤井健太郎も関わっていて、これほど俺にドンピシャで刺さるテレビあるのか!しかもPUNPEE feat. KREVAの「夢追人」的なシークレットな出し方しやがって!とテンション爆上がりし、その余韻でこのnoteも書いている。

ドラマを見始めた段階では、『「大豆田とわ子と三人の元夫」というタイトルの坂元裕二の新作脚本ドラマ』を楽しみにしていたが、今ではもはやこの「大豆田とわ子と三人の元夫」という企画自体が楽しみになっている。

プロデュースは佐野亜裕美さんという方だが、この人の仕事が楽しみになっている。

やはり、テレビだ。

テレビのワクワクを心から感じさせてくれた。

テレビには制限がある。一つは時間的な制限。NetflixやAmazon prime作品は会員になりさえすれば、いつでもどこでも何回でも観ることができるが、テレビは基本的に1回きりだ(Tverや録画もあるが番組表に載っている時間に観れるのは1回きりだ)。

もう1つは企画的な制限。Youtubeのように個人で思いついたことを簡単に映像にはできないし、Netflixなどに比べたら、コンプライアンスの壁も高いだろう。つまり、企画を会社に通さなければいけないし、大の大人たちを納得させ、動かさなければならないのだ。

ただし、その2つの制限に対して、時間的な制限には視聴者の、企画的な制限には製作者の熱量がフォーカスされた時、他の動画コンテンツでは起こらない興奮とワクワクが生まれると僕は思っている。

自分の好きな作家達が多く携わっているというひいき目かもしれないが、このドラマ(企画)にはそんな興奮が生まれる熱が潜んでいる気がしてならないし、すでに自分もその熱の一部になっている。

テレビ番組には曜日と時間が必ずついて回る。

「マンデーフットボール」は月曜深夜だったし、「トリビアの泉」は水曜夜9:00だったし、「ミュージックステーション」は金曜夜8:00だったし、最近でいえば「半沢直樹」は日曜夜9:00だった(個人的な趣味ですんません)。

その番組の事を思い出す時、その曜日の気分だったり、その時間帯の家族の空気感が匂いのような形でフワっと蘇ることがある。

だから、もし将来このドラマを思い出す時は火曜夜9:00の記憶もきっと蘇るんだろうなと考えている。

まだ第1話目が終わったところで、大それたことを言っているようだが、それくらいワクワクしたし、2話目以降も楽しみなのだ。

そう、これから毎週火曜夜9時は「大豆田とわ子と三人の元夫」、である。


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