紫式部
紫式部 (970?-1014?)
藤原北家の系統で下級貴族であった藤原為時の子として生まれる。歌人であった為時の影響から幼少期より漢文を読みこなし、和歌を詠んだ。その才能は周囲に知れ渡り、当時の最高権力者である藤原道長に見込まれ、道長の子であり一条天皇の妃でもある彰子に女房として仕えた。その頃に書いた長編小説『源氏物語』は、おとぎ話が主であった日本の文学において、主人公、光源氏を始め彼と関わる女性たちの心情を写実的に描き評判となる。その後書かれた『紫式部日記』では宮中での出来事を日記に記し、平安貴族の暮らしがわかる貴重な資料となっている。