会いたいという気持ちのはなし
SNSが普及してから2019年末まで、インターネット上でやり取りをしたときに「会いたいね!」とか「またみんなで飲もう!」とか、そんな挨拶をたくさん見かけた。
心からそう思うものもあったし、軽い感じで言うことも言われたこともあった。
2020年。
新型コロナウイルスが蔓延して、そういうシーンの言葉が「落ち着いたら会おうね」なんていうものに変わったように思う。
状況が許せば。
行き来しやすくなったら。
世の中が落ち着いたら。
いろんな言葉に言い換えて、会いたいねと伝え合っている。
コロナウイルスの感染が拡大するまで、
状況が許していた。
行き来しやすかった。
世の中は落ち着いてた。
私は、そんな意識を持たずに過ごしていた。
友達にはもちろん会いたい気持ちでいたけれど、今は仕事や家事や日々のあれこれがあるからもう少ししたら、なんて思ってなんとなく会っていなかった友達は一人二人ではない。
会いたいってどういう気持ちなのだろう。
表情を見て話を聞きたいし、聞いてほしい。
実際に声を聞きたい。
対面や隣に座って同じ料理を食べたい。
写真を撮りたい。
同じ景色を見たい。
そういう、相手と一緒に経験を重ねることを望む気持ちなのだろうと思う。
ひとつひとつの規模は小さくても、それらが案外と大きな要素として自分を支えていたのだと思い知らされる。
幼稚園からの幼なじみ。
学生時代の同級生や先輩後輩。
大学進学のときに助けてくれた恩師。
お母さんになった友達と、その横にいるまだ会ったことのない赤ちゃん。
ひとりひとりが今も離れたところで緊張感やストレスを抱えながらもそれぞれの日々を送っているのだと思うと、私もきちんと"自分の生活"をやっていこうと思える。
久しぶり、と言える日まで。
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