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アメリカで仕事をする方向に進みたい場合自分から動けることは?

Q1 日本に住んでいて、アメリカで仕事をする方向に進みたい場合、今回のような年鑑に応募する以外に、自分から動けることがあったら知りたいです!

日本に住んでいるのであれば、日本でキャリアを重ねることをせずに、いきなりアメリカから始めるのは難しいと思いますので、日本でも仕事ができるように動きつつアメリカも視野に入れるという前提でお話しします。

年鑑もなかなか有効な手段ではありましたが、今はやっぱりネットを活用するのが一番でしょう。とにかく仕事を依頼してくれそうな立場の人の目に留まらないといけないわけで、そのためにはまず第一に英語で発信することは重要ですよね。全部英語でやらなくても、少なくともプロフィールくらいは英語で書いておいたほうがいいと思います。自分のサイトは当然として、あとはよく言われているBehanceやInstagramなどでしょうか。ありきたりの回答になってしまいますが。

先日発売になった東京イラストレーターズ・ソサエティのTIS Magazineに興味深い記事が載ってました。広島のIC4Designさんによるもので、インターネットを使って広島から営業するならば、東京もニューヨークも同じではないかということでした。よかったら読んでみてください。

そう、つまり自分から動けることといえば、直接営業することです。

こんな記事も参考になるかと思います。

どうやって営業先であるアートディレクターのメールアドレスを入手するかですが、雑誌のオンライン版にはアートディレクターの名前も載ってますし、イラストレーターのブログとかを読むと、仕事の紹介とともに誰がアートディレクターだったのか記されていることもけっこうあります。名前がわかれば、あとは検索すれば今どきTwitterとかInstagramとか何かコンタクトできるものがヒットする可能性も高いのではないかと思います。

ここIllustration Ageではそういうアートディレクターのコンタクトリストをみんなで共有しましょうということで、一時期The Art Director Contacts pageというのがあったのですが、今は消えてしまっているようです。やはりリストをオープンにしてしまうと問題があったのかもしれません。本当のところはわかりません。この動画の中で語られている、アートディレクターのアドレスリストを販売しているサイトというのは実際にあって、お金を払えばリストを買うことができます。たとえばこんなところです。

https://www.bookyourdata.com/email-list-database/art-directors

けっこう高いのでどうかと思いますが、一つの手段ではあるでしょう。

アメリカのイラストレーターがどんな雑誌の仕事をしていて、どんなイラストレーションを描いているのか、それを研究するのは重要です。これこそ年鑑が手っ取り早いと思います。アートディレクターの名前も載ってますし。

アートディレクターの目に留まることもですが、同業者であるイラストレーターに絵を認識されることもかなり大事だと思います。英語でTwitterをやってフォロワーを増やすように頑張ってみるとかも、侮れないと思います。そう簡単ではないですし。

同業者に認識されるという意味では、Illustration Fridayもおすすめしておきます。これは毎週金曜日にキーワードが出題されるので、それをもとに絵を描いて投稿するというものです。Illustration AgeやIllustration Fridayはアートディレクターもけっこう見ているのではないでしょうか。

日本にいながらアメリカの仕事をすることの現実としては、今はオンラインでミーティングしつつプロジェクトを進めることができるので、テクノロジーの進化はすごいなという印象です。

今僕は、まだ海の物とも山の物ともつかないプロジェクトに関わっていて、今日も朝からGoogle Hangoutでニューヨークとドイツにいる人とミーティング予定でした。ドイツにいる人が時差の関係で参加できなかったので、東京とニューヨークの二箇所をつないでビデオ・ミーティングをしましたが、画面上で資料を見せながら話したり、Google Docsの書類にオンラインでリアルタイムで書き込んだりしながら喋るというもので、本当にどこにいても関係ないなという感じです。オフラインのときは主にSlackでやり取りしてます。英語が難しいのでそこだけがプレッシャーですが。

Q2 ある現役のイラストレーターの方から、アメリカではイラストレーターの仕事が、絵本のイラストレーターなら絵本だけ、装画なら装画だけというように専門化されていて、日本のようにイラストの仕事なら何でもこなすという感じではないこと、また、装画に関しても日本のように多種多様ではないので、極端にイラストの仕事は少ないと伺いましたが、本当ですか?そういったアメリカのイラスト業界と日本のイラスト業界の違いなど、知りたいです!

うーん、どうでしょうか。なんとなく日本より専門性が高いような気はするのですが、僕が知っているイラストレーターたちはとても幅広い分野で活躍してますし、もちろん専門的に分野を絞って仕事をしている人もいると思うので、一概には言えないのではないでしょうか。僕自身の例でいえば、雑誌や新聞もやれば、広告やパッケージ、web、絵本、アニメーションなど何でもやってます。アメリカの仕事です。

イラストレーションの出稿量だけで見れば、もしかしたら日本のほうが多いのかもしれませんが、正確なところは知りません。

装画に関してはたしかに日本のほうがイラストレーターが活躍する場としては豊かだと思います。ギャラ的には日本の装画はアメリカのそれに比べて全然安いのが現実ではあるものの。

アメリカの単行本やペーパーバックの表紙を見ればわかりますが、タイトルより著者名のほうが大きく載っていることも多く、あまりイラストレーションがメインに扱われている感じはしないですよね。でも最近は、SFやファンタジーの出版社ですが、tor.comのようにけっこうイラストレーションを使うところもあるようです。

それと、児童書やヤング・アダルトの本はアメリカでもイラストレーターを起用することは多いと思います。

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