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ペンスチ通信

新しくメンバーシップ「絵を描いて死ぬまで生きるために」を始めましたので、このマガジンは2024年いっぱいで終了する予定です。よろしければメンバーシップのほうに入会していただけると…
主に絵や仕事に関することを書いています。多くの記事を単体でもで販売しているのは、過去記事へのアクセ…
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#イラスト

ラフのほうがいいよ/ラフスケッチを超えられない問題

イラストレーションの仕事において一般的な工程としては、アイディアを考える、ラフを作る、仕上げる、という感じで大まかに分ければ三段階あると思います。この3つの段階の中で、どこの工程が好きかというのは人によってかなり違うようです。仕上げ作業が好きという人は多いのではないでしょうか。 僕の場合は、アイディアを考えるのが一番好きで、次がラフ。仕上げる作業はどちらかというと辛いです。実際に絵を描く作業より、頭の中であれこれ考えているほうが好きという、これって絵描きっぽくない気はしてし

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テクスチャの使い方

自分の絵にはよくテクスチャを使います。 現在のようにPhotoshopのブラシもいろいろなテクスチャを備えたバリエーションが充実していなかったので、ブラシとしては極力シンプルでフラットなものを使い、最後にテクスチャのレイヤーを重ねることによりアナログ感を表現しています。 もとはといえば、デジタル製のインチキ版画を制作していた頃に、いかにそれっぽく見せられるか研究していて、そのときにアクリル絵の具で作ったカスレのテクスチャが始まりでした。 これがそのときのテクスチャです。

『ChatGPTを使い尽くす!深津式プロンプト読本』刊行記念 深津貴之さん×けんすうさんトークイベントに行ってきました

青山ブックセンターは毎週のように通っていますので、僕にとってはホームグラウンドです。慣れている場所というのもありますが、面白そうなトークイベントがあるとなるべく参加するようにしています。 それで昨日は『ChatGPTを使い尽くす!深津式プロンプト読本』刊行記念 深津貴之さん×けんすうさんトークイベントに行ってきました。本はもちろん読み終えてから行きました。 僕はChatGPTではなくPerplexityのプロ版を利用しています。Perplexityの設定ではAIモデルを切

『あおいほしのあおいうみ』発売になりました

カバーと巻頭の谷川俊太郎さんの詩にイラストレーションを描きました(下の四点です)。他にもイラストがたくさん載っている楽しいビジュアルブックです。 参加イラストレーター(50音順):加藤休ミ 木内達朗 きのしたちひろ 田渕周平 友永たろ 原田俊二 parayu 吉野由起子 ワタナベケンイチ(敬称略)

映画ポスターのイラストレーションなどについて質問に答えました

達朗さんの作品の哲学やアプローチを教えてください クライアントワークでありコミュニケーションであるイラストレーションということで語るならば、まず伝わることを目指しています。 伝わるとは、コンセプトや感情など目に見えないものではなく、花や花瓶や人や犬など、画面に描かれているものが大部分の人が見てすぐわかるという意味です。 そして、これがいつも自分で実現できているとは全然言えないのですが、伝わることを確保した上で、今まで誰も見たことのないような、一目見て息を飲むような構図だ

Ronnie del Carmenのアニメーション講座

だいぶ前のことになりますが、トンコハウス主催のRonnie del Carmenのアニメーション講座に行ったときのことを書きます。 堤大介さんはホントに凄いなあ。作品が凄いのは当然のこと、特にあのプロデュース力というか組織力は僕のような一介のフリーランスイラストレーターには全く存在しない才能で、とにかく尊敬します。 有料の講座だったので詳細に内容を書くのはどうかと思いますが、有料記事なのである程度大丈夫でしょう。 といっても実は僕が考えていたような、具体的な手法を公開す

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定期購読マガジン停止とメンバーシップ開始のご案内

細々と続けてきました定期購読マガジン「ペンスチ通信」を終了し、新しくメンバーシップ「絵を描いて死ぬまで生きるために」を始めることにしましたのでご案内です。 今まで購読してくださった皆様どうもありがとうございました。 定期購読マガジンからメンバーシップへと移行する理由は、定期購読マガジンは購読期間中に追加された記事だけが読める機能だったのに対し、メンバーシップは加入している限り過去の記事を含めた全記事が読み放題にできるからです。 定期購読マガジン「ペンスチ通信」もすぐに終

動物の擬人化についての考察

前回の記事で書いたイラストレーションにおける動物の擬人化についてもう少し。 実際のところ、擬人化した動物の絵を描いて仕事をしている人はかなり多いのではないでしょうか。 実は、僕は全くゼロというわけではないですが、ほとんど擬人化動物の絵は描いてきませんでした。なぜでしょう。たぶん難しいからだと思います。 現実の世界では、僕はどちらかというと人間が苦手で、動物が好きです。でもそれが絵の世界になると逆になり、なぜか動物はあまり描かず、人間を描くのが好きです。どうしてなのかは自

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絵本のアイディア つづき

ぼーっとしていたらあっという間に時間が経ってしまいました。歳をとるにつれてぼーっとしている時間が長くなり、自分でも大丈夫なのかと思うところです。 前回のつづきです。

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The New Yorkerときたら

だいぶ昔の仕事ですが、The New Yorkerについて。

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発想の実際 『DOGMAN』の場合

『枯れ葉』が映画のポスターでしたので、同じ映画に関連する例として『DOGMAN』について書いてみます。というのは、DOGMANのときは、完成形が見えずにスケッチブックやモニター上でああでもないこうでもないとやってなんとか形にするのとは違い、映画を見ている時に絵の最終形が頭の中に見えていたからです。

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発想の実際 『枯れ葉』の場合2

時間が開いてしまい自分でも何を書いていたか忘れました。 どういう絵にしようかと悩んでいた場面でした。絵を考えるときには、僕の場合、言葉から始めるときと、ビジュアルから始めるときの二つパターンがあります。 絵にコンセプチュアルな要素が必要なときは、言葉から始めることが多いですが、今回は映画のポスターですし、リクエストされたモチーフとビジュアルがすでにありますので、サムネールを描くことから始めます。

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発想の実際 『枯れ葉』の場合1

先日書いた発想の方法という記事の中で、完成形が見えずにスケッチブックやモニター上でああでもないこうでもないとやってなんとか形にする例を具体的に説明してみます。 ネット上にイラストの描き方のテクニック的な解説はあふれているものの、どうしてそういう絵を描くに至ったのかという思考過程の解説はあまり見かけないような気がして。感覚的でもあるので、思考の過程というほど大げさなものではないのですけどね。 一番最近の例で思い当たるのは、大島依提亜さんより依頼された、アキ・カウリスマキ監督

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発想の方法

僕は喋ることが本当に苦手でして、その無能ぶりにいつも呆れています。そんなときにツイッターで見かけて興味を持ったのがこの本。早速買って読み始めていますが、共感できる着目点が多く、ある意味でひねくれていて良いです。ちなみに著者の頭木さん自身は口が立つようなので、そこは僕とは全然違うのですが、口が立つ人が勝つというのは腕力が強い人が勝つのと同じだから良くないと言っているところが良いです。 さて、イラストを制作するときに、どうやって描こうと思う絵を思いつくのかと訊かれることがありま

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