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呼吸1. ~解糖系・概要~

こんにちは、狐です。
授業内容のまとめはあまり受容がないみたいなので、そのうち板書データだけ順次投稿していくことにしたいかなぁと思っています。

さて、では図をどうぞ

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動画は以下URLからどうぞ

ではここからまとめです。

【最初に】

免疫の途中ですが、リクエストもあったので呼吸と光合成の話を平行して行いたいと思います。

まず呼吸の話からやっていきましょう。
分子細胞生物学のかなり最初の方で、本当に簡潔に説明しましたが、それよりは少し詳しめに話していきます。
ただがっつり話すと今度は生化学の範囲になるので、生化学の動画に入ったらがっつり話す予定です。

呼吸は生物がみなやらないといけないものですが、そもそもなぜ呼吸をしているかと言うと、エネルギーを食物から取り出すために行っています。
なので呼吸をしないと死んでしまうんですね。

その呼吸は大きくわけて3つの段階にわけることができます。
解糖系、クエン酸回路、電子伝達系です
これはみなさん知ってるかと思います。

それぞれの段階で何を目的にしているのか、これをまずは最初にしっかり押さえておきましょう。
呼吸の目的は食物からエネルギーを取り出すことです。
つまりATPを大量生産することです。
それをやっているのが最終段階である電子伝達系です。

ATPを作るにはATPアーゼを必要としますが、ATPアーゼを水素が通ってATPができます。つまり水素が大事になってくるわけです。
さらに水素の電気化学的勾配を作るために水素を一カ所に集める必要もあります。
なので水素と、水素を一カ所に集めるためのエネルギーである電子が必要になるわけです。
水素と電子はNADHやFADH2の形で保持しています。

なので食物を分解してNADHやFADH2を大量に取り出す必要があって、それをクエン酸回路でやっています。

次に、クエン酸回路に組み込むために食物を細かくしていかないといけません。
細かくするのを解糖系でやってます。

まとめると、解糖系で食物を細かくして、クエン酸回路でNADHとFADH2を大量に取り出す、これらが保持する水素と電子を使って電子伝達系でATPを大量生産。
それぞれの段階で何を目的にしているのか意識してみると、かなり整理されると思います。

【解糖系・概要】

今日は解糖系についてザックリ話すんですが、解糖系はグルコースを分解してピルビン酸を取り出す反応系です。ほとんど全ての糖はグルコースに変換することが可能なので、グルコースをスタートにしています。
グルコースからピルビン酸になるまでに10個ほどの反応があります。
10個の反応の中でも反応6と反応7が非常に大事です。
詳しくは次回の動画で話します。

解糖系で大事なPOINTは1個のグルコースから、2個のピルビン酸ができること。2個のATPを使って4つのATPができること。1個のグルコースから2個のNADHができること。あとは反応6と7です。

これらはしっかりと押さえておいてください。

このNADHですが、実は解糖系の段階でもちょっと作っちゃうんですね。
これは嫌気性の環境でもATPを産生することがでるようにするためです。
NADHを作るメインはクエン酸回路ですが、ここでできたNADHも電子伝達系に運ばれます。
酸素の存在下では、電子を最終的に受け取る分子は酸素です。
つまり電子伝達系でNADHは水素と電子を吐き出してNAD+になって、また再利用される感じです。

電子伝達系の話をまだやってないのでピンとしにくいと思いますが、電子伝達系の話が終わったらもう一度見てみてください。
たぶん納得できると思います。

酸素が存在するときはこのNADHは電子伝達系でNAD+にもどることができますが、例えば無酸素運動をするときは酸素がなくなるわけです。
つまりNADHはNAD+に戻ることができず、それ以降の反応が止まるわけです。
つまりATPを使うだけ使って新しく作ることができないんですね。
困るじゃないですか、すぐ筋肉動かなくなりますよ。

なので、特に筋肉で行われる反応ですが、このピルビン酸を乳酸に還元します。
還元ってことは何かが酸化されるわけですが、それがNADHです。
つまりピルビン酸を乳酸に還元することで、NADHをNAD+に酸化するんです。
これでNAD+が復活したんで、反応を滞りなく進めることができる、つまり無酸素状態でもATPを産生することができます。
こんな風に酸素を使わないで、かつ電子伝達系も関与しないATP産生の手法を発酵と言ったりします。



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