【ビースト 獣の日】 アクション・ミュタンテ!の監督作第2弾!
ビースト/悪魔の黙示録 (ビデオ)
「アクション・ミュタンテ!(ハイル・ミュタンテ!電撃XX作戦)」でSFホラー映画界にその名を知らしめたアレックス・デ・ラ・イグレシア監督作の第2弾。
1995年12月24日。ヨハネ黙示録の研究に没頭する司祭は独自の解釈で聖書を解読した。
翌日マドリッドのどこかに生誕するはずの“反キリスト”抹殺を企てる。
悪魔を降臨させるため悪行を続ける司祭は、悪魔崇拝のヘビメタ・ショップの店主と意気投合。二人はTVでオカルト・ショーのホストを務める博士なら悪魔を呼び覚ます方法を知っているはずだと、博士の住むマンションに急行。
実は、博士自身は悪魔など信じてもいないのだが、半ば強引に儀式をやるハメに。
ところが儀式が終わると、悪魔の化身とおぼしき黒山羊が出現し闊歩歩いた。博士はそこで“アンチキリスト”が生まれようとしている場所を示した悪魔の印を発見し、別行動の二人と合流し、現場へ向かうのだが……。
人知れず世界を救うために奮闘する奇妙な中年三人組
“反キリスト”をテーマにした毒気たっぷりのコメディ・ホラー。
60~70年代にかけて量産されたオカルト映画を現代風に蘇らせた一遍。主人公はイケメンでも美女でもない奇妙な中年おっさんの3人組。
人知れず世界を救うために奮闘する姿に微塵のカッコよさも無いが、憎めるはずもなく、そのスマートではない行動に苛立つこともないだろう。
この司祭の行き当たりばったりの行動に哀愁すら感じて嘲笑を誘うが、それがシリアスなものであった事が判っていく展開には一本取られた。
“アンチキリスト”がいつ何時出現し、世界は破滅に導かれるのか・・。
本当に真面目にふざけた構成であるが、根幹部分がしっかりとした軸を設けており、あながち出鱈目でない構成に本作に懸けた情熱を感じる。
決して派手なギミックは無く、スプラッタ要素は皆無であり、傑出した部分を見出す事のできない作品であるが、この作品のもつ独特の雰囲気は好感が持てる。
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