『マイセン幻影』すべてのコレクター必見 映画感想
92英・伊・独
監督 ジョルジュ・シュルイツァー(「ザ・バニシング -消失-」「失踪」)
主演 アーミン・ミューラー=スタール
92年ベルリン映画祭主演男優賞
純白の地肌に官能的な色彩を持つマイセンに心奪われた男の物語。
マイセンや陶器、美術品などの事は何も知りませんが、あらゆるジャンル、全ての収集家・愛好家必見!の作品が埋もれてますぞ
マイセン磁器に限らず、何かにハマってしまい収集したくなるのは誰にでもあることだと思う。
殊にこの男爵に於いては1930年代以降のチェコという時代、政治背景もありながら偶然的に収集出来た磁器でいずれも国宝級の逸品ばかり。
が、いずれはこれらのものをどうにかしなければならない時が来る。
放っておくのか…。棄てるのか。売却するのか。譲るのか。
映画ではもっと深刻な状況があり、本当に大切なものをどうするのか、本当に大切な人が望んだとおりに・・
死の床に臥せった男爵は眼でメイドさんに懇願する。
全て破壊するのだ。痛いほど解って泣いてしまった。
年とったなぁ。
すぐネタバレするし・・。
1980年、オークションの会場で プラハに住む初老の男カスパー・ウッツと、ニューヨークの古美術商の若い女性マリウス・フィッシャーが、マイセンの人形を競り合い、それが縁で交流を持つことになった。
ウッツはドイツ生まれのユダヤ人男爵で、献身的なメイドさんとともに、小さなアパートで暮らしている。
彼は五歳の時、祖母の住む城でケンドラー作のピエロのマイセン人形と出会い、以来、その美しさに魅せられ続けてきた。
マリウスは、ウッツのマイセンへの情熱を思い知らされ、いつかウッツのコレクションを見に行くと約束し、それぞれの帰路についた。
それから5年の月日が過ぎ、マリウスは、ウッツのコレクションを見るためにプラハを訪れた。
彼女はウッツの家で、千点ものマイセンのコレクションを眺める。
だが、そのすべてのコレクションひとつひとつに、国立博物館のラベルが貼られていた。
ウッツは、虐げられたプラハの人々を象徴する寓話を話し、国から監視されていることも打ち明けた。
マリウスはジュネーヴへの移住を勧めるが、ウッツはコレクションを捨てることはできないと答えた。
89年、ウッツは心臓発作で倒れた。マリウスは、彼の長年の友人であるオーリック博士から、その知らせを受ける。
プラハまで飛んできたマリウスは、一足遅くウッツの死を知らされる。
アパートのコレクションの数々は、跡形もなく消えてしまっていた・・・