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【ペテルブルグ幻想】ネフスキー大通り熱にうなされた若者たちのワンナイトファンタジー

ベルリンの街にひとりの少年が降り立った。

ロシア文学を熱狂的に信奉する彼は、年寄りと見れば「罪と罰」の金貸し老婆と思い込み棍棒で殴り殺し、翁は判事と思いこむ始末。

その夜 彼は、エレナとヨハンナという二人の美しい女性と出合い 彼はエレナに「罪と罰」のソーニャのイメージを重ねあわせはじめた・・。

ペテルブルグ ネフスキー大通りとは、 ロシア文学を信奉する者にとっての聖地ともいえる刺激的な場所。

そんなペテルブルグ熱にうなされた少年と満たされぬ何かを抱えた二人の女性たちが異国の街を彷徨うワンナイトのファンタジー
主人公の「少年」に「あの頃ペニー・レインと」(2000)や「チャーリーとチョコレート工場」等で脇を固めたノア・テイラー。

エレナに「ベルリン・天使の詩」にてヒロインの空中ブランコ乗りの美女マリオンを演じたソルヴェイグ・ドマルタンを迎える。
彼女は「夢の涯てまでも」に出演するなど、ヴィム・ベンダース作品に欠かせない存在であったが、2007年1月11日 心臓発作のため45歳という若さでこの世を去った。


第42回 カンヌ国際映画祭(1989年)ある視点部門

(サンタ・サングレ/聖なる血、バロック、達磨はなぜ東へ行ったのか、私の20世紀 と同時)

1989年 ロッテルダム映画祭グランプリ受賞

監督 イアン・ブリングル 
脚本 ミハエル・ヴレン
撮影 レイ・アーガル
音楽 ポール・シュッツェ
出演 ノア・テイラー
         ソルヴェイグ・ドマルタンほか
1988年製作/オーストラリア・西ドイツ合作

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