【南東からきた男】入院患者32人。気づくと33人目の患者がいた。
(86 アルゼンチン)
ブエノスアイレスの片田舎にある精神病院にて、入院患者32人を担当するデニス医師。気づくと33人目の患者がいた。
彼は病院内にある教会のオルガンをひいていた。
単なる振動の流れに人は感動する。その魔力は楽器にあるのか?
演奏者にあるのか‥曲自体にあるのか?
或いは聴くもの側の彼らの中にあるのか‥。
彼らが感動している事を理解できても、私は感じる事ができない
誰も知らぬ 演奏者は自らランテースと名のった。
別の世界から来たという。彼は宇宙人なのか
この33という数字を背負った男は、33才で昇天したというイエス・キリストの再来なのか・・
時折 誰かと交信しているようだが、その相手は既に死んでいるかもしれないという。では、君は一度死んでいるのか? デニス医師の問いに、この世のほとんどの人間が死んでいるという。医師は完全にランテースが狂っていると判断せざるを得なかった。
人間はホログラムの有史以前に存在している いわば見えている姿はホログラムであって宇宙に映し出された映像でしかない
映像と言っても単なる視覚的対象でなく目を閉じても、存在し続ける事が出来、呼吸をし自分や他人に触れることもできる。自分は完全な人間であるが、自分には感情が全くない。医師にとって患者から聞いた最も感動的な告白だった。ランテースは物理学者か、数学者であって正常な精神状態であるのかの判断がつかなくなっていく。
本当にホログラムなのか
どこに住んでいたのかの問いに その情報は記録されていないと答える
この現世は人間の過去なのだ 理解に苦しむ
医者は治したいというが彼は理解してほしいという。実は医師も彼を理解しようとしていた。検査結果はすべて正常。
過去の家族の日常の映写に一人涙する医師
真実を話しても、誰も信じてくれない。結局 真実を話せる場所は精神病院しかない。真実を話しても 狂人扱いされて精神病院に送られるからだ。
時折 誰かと交信しているようだが、その相手は既に死んでいるかもしれない。では、君は一度死んでいるのか?の問いに、この世のほとんどの人間が死んでいるという。医師は完全に狂っているという
私たちに母親というのは存在しない ロボットなのか?の問いにロボットは貴方たちです 人間はホログラムの有史以前に存在している いわば見えている姿はホログラムであって宇宙に映し出された映像でしかない
映像と言っても単なる視覚的対象でなく目を閉じても、存在し続ける事が出来、呼吸をし自分や他人に触れることもできる。自分は完全な人間であるが、自分には感情が全くない。医師にとっても患者から聞いた最も感動的な告白だった。
脳の研究をしたい 君と私のは一緒だ なぜ私だけ狂人扱いか
我々は地球上のあらゆる武器は対処できる。ただし一つだけ対処できない武器がある。なんだね?それは人間の愚かさ。 なぜ我々と?
世界中で同じような事が起こっているから。でも誰一人電話して調べようともしない。現実に起こりえないことは信じようとしない。
我々は救いにきた。この世の様々な恐怖に殺された者。打ちのめされた者、この世に期待を持てない者 弱き者を救いに来た。
で、あれば宇宙人でなくキリストを演じるべき どういったところで狂人扱いだ。
人間は意識の進化よりも外面的な進化を求め急いでいる。私の思考は合理的。刺激的な事に合理的に反応し、苦しんでいる者がいれば慰める。人が見れば見返えし、話しかければ耳を傾ける。そのような行為を無視し、人間は凶暴になる。無視をし、死にかけた人がいても救いを求めようが何もしない。自分の事だけを考える人が、贅沢な食事をし着飾り、教会に行く。いいかげん偽善は止めることだ。あなたは無意識に偽善の押し売りをする。
始めて感情をむき出しにした瞬間である。キリストの処刑を許可したピラトである。ローマ人がキリストの復活を願ったように
常識の囲いから抜け出れないのが常識人。
人を助けるつもりであったが、今は人を頼るただの愚か者に・・
本当の自分を見失い、脆い神経を隠すために分厚い鎧をまとってしまった愚か者であったのか・・ やがて彼の演奏によって閉塞的な精神病院に自由と歓びの旋風が吹き荒れる
歯止めのない感情の世界を「精神病院」に置き換え入院患者たちが精神病院で展開する様々な行動を通し、人間の内面というものを究極的に追及し可視化させた 「愚か者の日」(81)とは、別のアプローチで迫る美しい人間究極の世界である
監督・脚本 エリセオ・スビエラ
出演 ロレンツォ・キンテロス
ウゴ・ソト
イネス・ベルネンゴ