【プロビデンス】 1977年 フランス アラン・レネ監督作品
1977年製作/フランス
78歳の誕生日の前夜、奥深くで病魔に苦しむひとりの老作家が死の強迫観念に襲われながら、最後の力をふりしぼって構築する物語と現実を、重層的に交錯させて描く。
78歳の誕生日を迎える著名な作家クライヴは、「プロビデンス」という名の宏壮な館にその病身を横たえながら、恐らく最後となるであろう作品を思い描いていた。
「プロビデンス」とはアラン・レネ監督が本作につけた題名であるようだが、摂理というカルヴァンの予定説に基づいた意味合いもあるのであろうか。
そんな疑問をよそに作家クライヴ自身と過去、彼の親族が登場する物語は架空と現実を重層的に交錯させながら語られていく。
森の獣人を安楽死させ罪に問われた兵士。追及する検事と、兵士への同情から次第に彼に魅かれていく検事の妻‥。
物語の登場人物たちによって繰り広げられる泥沼劇と、現実との異なる2つの世界がクライヴの庭園「プロビデンス」で融合する。
プロビデンスにて開かれたクライヴの78歳の祝賀会。
小説に描かれた人物とは全く異なる様相の家族たちが現われ、現実の人間関係が明らかにされてくる。
ここで当初の疑問「プロビデンス」という名称であるが、作家であるクライヴが劇中、創作者の苦悩の脳内イメージとして邸宅につけたとの件がある。と、同時に監督自身がこの映画の題名につけた名称でもある。
この作品の特徴として架空と現実の2つの世界を交差させている事からも作家クライヴとは、アラン・レネ監督自身のことなのか?
と、思ったらビデオの裏の解説に近しいことが書いてあった・・。
やっぱ映画の解説の人に限らずだけど、創作関係の人ってスゲーんだな・・・
監督:アラン・レネ
出演 ダーク・ボガード
エレン・バースティン
ジョン・ギールグッド
デヴィッド・ワーナー
イレーン・ストリッチ