【爆発!ジェットヘリ500】(73米)
銀行強盗を目撃した交通情報担当のヘリ・パイロット。
かつて第二次大戦からの帰還兵であり、その血気から強盗団を単身追跡する。 ハイウェイの高架下をすり抜ける陸対空、空対空のデッドヒートを描いたアクション映画。
ハリー・ウォーカー(デイヴィッド・ジャンセン)は、今日もヘリコプターH500の操縦捍を握り、アメリカ東部ソルトレーク市上空からKBEXへ交通情報を流している。
彼は操縦捍さえ握っていればご機嫌だった。
私生活での嫌な事を忘れさせてくれる。別れた妻の事で悩む事もなかった。
だが、そんな平凡な毎日の中で、第二次大戦でグラマン戦闘機に乗っていた頃がフラッシュバックする日が多くなっていた。
そんな感傷を吹き飛ばすような事件が起こった。
銀行の前で現金輸送車が襲撃され、マシンガンをもった3人の男が警備員2人を射殺するや、現金袋と若い女テレサ(イレイン・ヘイルヴェル)を人質にとり逃亡した。
事件を目撃したハリーは、ラジオ局とソルトレーク市警のマック警部(ライフ・ミーカー)に通報。間髪開けずに逃亡する車を追跡した。
ハリーのヘリが車を追いつめたと思ったら、犯人たちは屋上に待たしてあった逃走用のヘリに飛び乗った。
ヘリ対ヘリの一大追跡が始まり、彼は昔、グラマン機を駆って敵機を追っていた興奮を感じないわけにはいかなかった。
そんなハリーの執拗な追跡に音を上げた犯人たちは、テレサと現金袋を草むらに放り出してしまう。
女性の救出に成功したとき、犯人の銃弾がヘリのオイルタンクをぶち抜いた。
ハリーは仕方なく峡谷の陰に降下する。
翌朝、ハリーは断崖に敵機がとまっているのを発見すると、嫌がるテレサを逃がして、ヘリに乗り込む。
敵機もそれに気づいて飛び立った。
ハリーは突如、急旋回し犯人のヘリに立ち向かった…
ストーリーは極めて単純明快。
少々、人間模様も加味されているものの、終始強盗犯の追跡劇に絞られる。その分、最後の展開にカタルシスを感じる事が出来なかったのが惜しまれる。
ドライな展開の方が衝撃的に感じてしまうこともあるのでサジ加減が難しいのだろうが、1973年の米国といえば、アメリカン・ニューシネマという時代の潮流があり、テレビ映画とはいえ、少なからずその影響下にあったとも思える。
ブルーサンダーのような格好良いヘリは登場しないが、ソルトレイクの広大な景観をバックに、やさぐれギラついた映像で繰り広げられるチェイスの迫力は特筆もの。
昨今はCGで更に迫力のある映像も創ることが出来るだろうし、ドローンでの飛行映像も撮れると思うが、かつてのお正月の深夜に流されていた映画っぽくて懐かしみを感じてしまう。
BIRDS OF PREY (1972 米)
監督 ウィリアム・A・グレアム
出演:デヴィッド・ジャンセン
ラルフ・ミーカー
エレイン・ヘイルヴェイル .