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映画 名作・ヒューマンドラマ など

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映画 名作・ヒューマンドラマなど、一般的に言われている作品とは ひと味違う隠れた名作、埋もれそうな映画が多め。 洋画の未円盤化の作品率が高めです。 主に私が視聴したことのある作品…
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#青春映画

映画評論家・南 俊子によるアメリカ映画『ナタリーの朝』(69)評

◆『ナタリーの朝』(1969/米/Me, Natalie)  1970年日本公開 ■未DVD化■ ↓VHSビデオの後ろ側のジャケ写に掲載の作品解説 最近も【#カワイイに正解なんてない】というキャンペーンが物議を醸した!? ↑でも言及されている「ハロルド叔父さん」、こいつがとんでもない食わせ者で、容姿に自信が無くて悩む姪のナタリーに対して『人間は外見じゃないよ』みたいなキレイゴトを語る「賢者」のような役として登場するが、その後で、長年連れ添った妻と死別?した後に「美人でセ

【ポケットの愛】メガネっ子がミムジー・ファーマーに入れあげた

メガネっ子少年ジュリアンが15才も年上の女性エレナに入れあげた。エレナも最初は遊びのつもりだったが、徐々に心が動いてしまう。 しかし、二人が真剣になるにつれ、周囲の状況は厳しくなっていく。頑張れば、きっと何とかなるなんて、そんな訳があるわけもなく・・・。 何でも努力すれば切り抜けられるってほど、世の中が甘くないっていうことは、親や周囲の大人が一番わかってる。大人の女性であるエレナも当然わかっていた。 どんなに頑張っても乗り越えれない壁があって、それが当たり前にある事だという

【テルレスの青春】ヴィスコンティも映画化を画策した、ニュー・ジャーマン・シネマの先駆的作品

「ブリキの太鼓」のフォルカー・シュレンドルフ監督の長編デビュー作でありニュー・ジャーマン・シネマの先駆的と言われる作品。 ヴィスコンティ監督も映画化を計画していたと言われる。 主演の少年は鋼のような硬質の魅力を持ち合わせるマチュー・カリエール。ビョルン・アンドレセン「ベニスに死す」の持つ甘い美貌とは対照的ながらも、思春期の揺れ動く感受性を演じ抜いた。 社会における性と、思春期の持つサディスティックな欲望と暴力の支配によるメカニズムを日常の細部にわたり容赦なく叩き込んでくる

【ペテルブルグ幻想】ネフスキー大通り熱にうなされた若者たちのワンナイトファンタジー

ベルリンの街にひとりの少年が降り立った。 ロシア文学を熱狂的に信奉する彼は、年寄りと見れば「罪と罰」の金貸し老婆と思い込み棍棒で殴り殺し、翁は判事と思いこむ始末。 その夜 彼は、エレナとヨハンナという二人の美しい女性と出合い 彼はエレナに「罪と罰」のソーニャのイメージを重ねあわせはじめた・・。 ペテルブルグ ネフスキー大通りとは、 ロシア文学を信奉する者にとっての聖地ともいえる刺激的な場所。 そんなペテルブルグ熱にうなされた少年と満たされぬ何かを抱えた二人の女性たちが