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森博嗣著「道なき未知」を読んで

読書メモ。

先日は壁のペンキ塗りをしたばかり。本当に楽しかった。子供のときに、将来なりたい職業はペンキ屋さんだった。きっとペンキ屋さんにならなかったことが、最大の理由だろう。

あなたの生き方は、あなた自身が研究し、あなたの仮説をあなたが試してみるしかない。自分の仮説を信じて進み、駄目ならば、仮説構築からやり直す。この繰り返しこそが、「生きる」ということなのである。

どうして後悔しないのかといえば、いちおう自分で判断したからであり、それなりの理由があったからだ。判断が間違っていたとしても、その理由ならしかたがない、と処理する。判断が間違っていたのは、その時点で情報が不足していたからであって、その条件ではやむをえない判断だったことになる。だから、後悔とはならない。

道の先にあるのは未知だ。なにかがありそうな気がする。この予感が、人の心を温める。温かいことが、すなわち生きている証拠だ。
したがって、行き着くことよりも、今歩いている状態にこそ価値がある。知識を得たことに価値があるのではなく、知ろうとする運動が、その人の価値を作っている。
たとえば、人生という道だって、行き着く先は「死」なのだ。死ぬことがこの道を歩く目的、価値ではないことくらい、きっと誰でもわかっているだろう。

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