
2024/5 東北旅行記 ep14(Final):禁断のトリプル駅弁でお腹と背中が乖離する(青森~新青森~東京~整形外科)
前回のあらすじ
食べるのか食べないのか、どっちなんだい。
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本編
●『サザエさん』のタマ体験ができる置物
のっけ丼を見送り、ラーメンにありついた。別に空腹でもなかったが食べちゃうのが恐ろしい。まあおいしかったから良しとしよう。車を停めていたラビナに戻り、土産を買いこむ。最近新館ができたため、非常に盛り上がっていた。
いったんラビナを出て、海沿いのA-FACTORYという施設へ。飲食店と土産ショップがいっしょになった施設である。実はここに無料駐車場があるので、ラビナよりこっちに停めた方がよかったかもしれない。




すぐ近くには「ねぶたの家」という観光施設や、テレビアニメ『サザエさん』オープニングのタマ体験ができるリンゴの置物もあった。


●順路が整っていて資料館も新しい「三内丸山遺跡」
タマの気持ちを味わった後は三内丸山遺跡へ。雨模様っぽかったが天気が何とか持ちこたえてくれてよかった。しかしこの辺りから、背筋の辺りが筋肉痛っぽくなる。しかし珍しくはない、たまにあるものなので肩甲骨を開いたりして紛らわせる。これが後々大変なことになるのであった。

以前に九州旅行をした際に訪れた吉野ケ里遺跡はかなり広大でどう歩いたものか迷ったが、この三内丸山遺跡は順路が整理されており、コンパクトでまわりやすい。


遺跡にはいくつもの竪穴住居があったが、そのうち結構な数は近隣の小学生が社会科見学みたいなので作った築浅物件であった。



毎度のことながら、こうした古い遺跡に巨大な建造物があることに驚く。古代にどんな科学と技術があったのか。どんな暮らしをしていたのだろうか。ガイドツアーで回っている一団がいたので、しれっと紛れてガイドの話を聞くなどした。


さくっと遺跡を見た後は屋内に戻り、資料館を閲する。2019年にオープンしたらしく、まだ新しい。




なんかすごい機材でも使うのかと思ったら、百均にあるようなスコップで作業していたらしい。

この辺りはもともと球場を建設予定だったところ、遺跡が発掘されて計画がとん挫し、保全を決めたのだとか。


ジョジョに出てくるような石仮面も。



●禁断のトリプル駅弁で上京す
遺跡を見終えたころから、入り口で自覚した背筋の違和感がだんだん痛みに変わってくる。何だろう、慣れないレンタカーを運転し続けたからか。時折変な姿勢で運転したからか。土産でパンパンに膨れて重たいスーツケースを持ち上げたりしたからか。うーんわからん。
不安な中でラストドライブと給油を済ませて、新青森駅のトヨタレンタカーに車を返す。ルーミーよ、長旅をありがとうございました。


さて、新青森に着いた頃にはもう完全に背中がアウトな感じになっている。スーツケースを引きずるのもしんどい。まあいいや。新青森から東京までは新幹線でも長旅になるので、道中のお供を探す。
ただ、GW最終日で関東方面へ帰る人も多いのか、改札外の駅弁はほぼ壊滅状態。午前中に見送ったのっけ丼の駅弁を発見したが、売り切れ。おそらく構内の売店まですべて売り切れということはなかろうが、最後の最後でギャンブルに走って負けるのはだいぶつらいので、取りあえずかろうじて残っていた、軽めの押し寿司を確保。
改札を通過して売店へ走ると、案の定こっちは在庫多数。目当てののっけ丼の駅弁も発見。うれしさで食欲がバカになり、さらに八戸の「八唄寿司」まで買う。常識では考えられない、禁断のトリプル駅弁である。

●「お腹と背中がくっつく」の逆状態
まずいただいたのは「津軽の笹寿司」。青森の米「青天の霹靂」を使用しているらしい。ネタは県産のトラウトサーモン、鯛、しめ鯖。うまい。こちらはビールでいただく。


あまり序盤で平らげても残りの時間が口寂しいので、しばらく我慢。適当なころ合いで、八甲田おろしのワンカップを開け、八唄寿司とのっけ丼弁当をいただく。


八唄寿司は、以前近所のスーパーで駅弁フェアをやっていた時に食べたことがある。酢飯の上に大ぶりなサーモンとサバが乗っており、付属のしゃもじで切り分けながらいただく。通常の押し寿司と違い、ネタとシャリの量をお好みに調節できる点が素晴らしい。
さて、因縁の、のっけ丼を模した駅弁であるが、こちらは若干の期待外れであった。「青森県産クロマグロ」「青森サーモン」「ベニズワイガニ」「三陸産わかめ」と威勢のいい文言が並ぶが、マグロはほぼたたき状態で色が良くない。まあ食べてみたらまずくはないが。サーモンも生臭く、最もうまいのはワカメという始末であった。ワカメでメシなんか初めて食ったよ。意外とイケるのね。


最後の最後までアホみたいに食い続けて東京に到着。この頃はもうかなり背中が痛んでおり、ちょっと動くだけで筋がビシビシ痛む感じ。あれか、空腹すぎると「お腹と背中がくっつく」というが、逆に食い過ぎたことによってお腹と背中が極限まで乖離しようとしているのか。そんな感じの痛み。
何とか準最寄り駅まで帰投したが、バスを待っているときに酔っ払いなのかボケているのか、かなり心配なおじいさんが自分の乗るバスに迷っていて、その人に気を取られて自分の乗るバスをミスる始末。
本来、正しいバスに乗れば最寄りのバス停から家まで徒歩1分のところ、徒歩10分ほどのバス停で降りることになってしまった。ズタボロの体を引きずり、帰宅。
●後日談
翌朝目覚めると、ちょっと体を動かしただけで全身がバラバラになりそうなものごっつい痛みにさいなまれる。用を足した際に自分のケツを拭くこともままならない。
全く動けないということはないが、いったん横になったときに、あるツボに入ると痛すぎて全く体を動かせない状態になる。鏡の前に立つと、体の中央から15度ほど傾いてしまっている。言ってしまえば、デフォルトでパーフェクトヒューマン状態。これは明らかにやばい。

呻きながら5分ほどかけて自家用車に乗り込んだが、右左折でハンドルを回すのもままならない。整形外科まで交通量がほとんどなかったのが救いだった。医者に着いても座ったり立ったりが苦痛過ぎて、治療に来ていたおばあさんに心配されて声をかけられる始末である。
しかも診てもらっても原因がよくわからず、取りあえず痛み止めと湿布を処方してもらい、電気ショック療法を受けただけ。薬局で先ほどのおばあさんにまた声をかけられて「交通事故?」と聞かれたのは笑った。そんなにめちゃくちゃな姿勢になってしまっていたのか。「絶対そのうちよくなるから頑張って」と声をかけてくれて元気が出た。その後、1カ月を経た今でも完治には至っていない。というか首から腰に転移してきている。
2月にタイへ旅行した際も、復路の飛行機で猛烈な腹痛に襲われ、その後あきらかにコロナだろという重篤な喉の痛み、高熱に苛まれた。次どこに旅行するにしても、健康体で帰ってこられるように祈るばかりである。
これで東北旅行記は最終回です。だらだらと長い旅行記をここまで読んで下すった方がいらっしゃいましたら、この度もありがとうございました。