2024/8 中欧旅行記 ep2:機内サウナを初体験
前回のあらすじ
「ライブインブダペスト」なんてものはない。
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本編
●出発前に、無料の食べ放題
乳毛抜きによるバス乗り損ねという、2022年阪神ばりの逆ロケットスタートをかました本旅行。実は出国までにもう一波乱あった。今回のメインディッシュはその話である。
と、その前に。致命傷にならないほどの熱波を耐え、鉄道とバスを乗り継ぎ羽田空港へ。空港便のバスはしっかりしている。15分前行動で、しっかりと余裕を持って停車していて安心感が半端ない。
空港では、腹ごなしにプライオリティパスを使ってホテルビュッフェを味わった。割と新しい、羽田エアポートガーデンにあるホテル、ヴィラフォンテーヌグランド羽田空港の「All Day Dining Grande Aile」という店。この店の直前にあるしゃぶしゃぶだかなんだかの店の前を通ると異様な畜肉臭がするので、これから行く方には警告しておく。食べる前は良いがビュッフェで腹をパンパンにした後にあの匂いは、結構リスキーだと思う。
さて、実質タダで食えるビュッフェなんて・・・と思っていたが、バラチラシ丼とかちっこい本格ハンバーガーとかあって、結構良かった。うな丼とかもあった。飲み物があるのも良い。意外と混んでおらず、のびのびとできる。
●地獄の「機内サウナ」を初体験
今回利用したのは、中国東方航空。前評判が「もう乗らない」だの「モバイルチェックインができない」「寝ているとゲンコツでたたき起こされる」「絶対に定刻に離陸しない」など散々で不安を抱えての、チェックイン。案の定結構待たされる。それなりに待機人数がいるにもかかわらず、窓口は2つ。まあしょうがない、待つしかない。
なんとか無事に通過して出国審査も終えてウダウダ。ラウンジに入ろうと思ったが混雑で入れず。まあ、それでも盆休みの口開けにしてはバカ混みという感じではないのが救いか。国際線は成田に集中しているのかしら。
さて、いよいよ本日のメインディッシュである。私たちに何が起ったか。果たして答えは「蒸し風呂地獄」。それなりに時間通りで搭乗したものの、機内が暑い。最初は「まあまだ搭乗しきってないし、エアコンをケチっているのかな」と好意的な解釈をしたが、いつまでたっても冷えない。
イライラしてどんどん熱くなる。だいたい時間になってもうんともすんともいいやしない。なんなんだ。とにかく暑い。筆者、学生時代に冷房代をひたすらケチっていたので暑さ耐性はそれなりにある。しかし、そんなヤワな暑さではない。外より暑いんじゃないのか、これ。
池田勇人なら「もはや屋内」ではない、というに違いない。と思って調べたら池田勇人の発言ではなく経済白書にあった文言らしい。また間違った。いやはや。何かトイレからCAの肩を借りて戻ってきた人とか、顔真っ赤でぐったりしてるんだが。間違いなく熱中症だろ。
考えれば考えるほど脳と体が沸騰する感覚。しばらく待つ。何か機内アナウンスでごちゃごちゃいっている。英語で「エアコンディション」がどうとかいっているような。
冷えた頭なら、あるいは「エアコン」は「エアーコンディショナー」の略であることから「なるほど、やっぱりエアコンぶっ壊れてるのね、ふむふむ」と理解できたやもしれぬ。しかし、沸騰して気化しかけている脳は「え、もしかしてこの室温は仕様で、空の状態が悪い? だとしたらこれ、飛ぶのか?」と謎の解釈をしてしまった。
そこからは不安の堂々巡りである。上海での乗り継ぎは間に合うのか。だめだったら、初日の予定やホテルはどうすればいいのか。まず、離陸するのか。「ダメだこりゃ」となったら、今回の旅行は全おじゃんになるのではないか――。
●肝心の機内食は……
不安が冷や汗を呼んだころ、エアコンが徐々に復旧して、無事に我がMU8634便は上海に向けて飛び立った。当初の予定時刻から1時間20分後の快挙であった。無事に飛び立ったあと、これまでのうっ憤を晴らすかのように、機内は嘘のように冷えた。文明に乾杯せざるを得ない。
機内食の牛焼肉ライスと、魚のクリーム煮込みみたいなやつもうまくて満足。結局メシが美味けりゃ何でもいい、という筆者の海外旅行に対するスタンスをしっかり理解している中国東方航空。到着するころにはすっかり蒸し風呂に放置されたことも忘れていたくらいである。
そんなこんなで飛行機はあっという間に上海・浦東国際空港へ到着した。今回はここまで。次回をお楽しみに。