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2024/8 中欧旅行記 ep14:ウィーン街歩き、博物館、メシ

前回のあらすじ

ウィーンに到着

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本編

●博物館、暑すぎる

ホットドッグに満足して、さあ散策。ホーフブルク王宮へ。例によってこの日も激烈に暑い。

王宮前はちょいと工事中。目当ては、王宮内にある「シシィ博物館」。シシィとはオーストリア=ハンガリー帝国の皇妃であるエリーザベトの愛称である。

エリーザベト、その人の生涯を追いながら種々の展示があるのだが、それにしても暑くて気が滅入る。資料を見るよりも、展示室の中にある扇風機をいかに早く探し、その前に立つか、しか考えられない。それくらい暑い。風がない分、屋外よりしんどいかもしれない。

それにしても、エリーザベトは栄華の極みにいながらかなり鬱屈とした人生を送ったらしい。筆者のような小市民から見れば何不自由なく見える優雅な暮らしでも、心は満たされなかったようだ。多分に脚色されている部分もありそうだが、とにかく何も楽しみがないような人生を送っていたようでかわいそうである。その最期が、暗殺というのもむなしい。しかも、犯人はもともと違う人物を狙っていたのを翻意して、というのだから救いようがない。

暗殺、その瞬間

あとは、こうして後世に語り継がれることについて。まあ筆者は別に何の偉業も成し遂げていないが、もし何かを成し遂げて、数百年も後世の人たちに幼少期のことやら生家やら、趣味やらルーティンやらを知られるのって結構しんどいな。

●ただただ街歩き

博物館を進んでいくと、密閉したスペースから窓のある宮殿内へと続いていき、こちらはいくぶんか過ごしやすい。写真やら絵よりも、実物の調度品などがある方が個人的には興味を持てる。

例えば浴槽が、当時にしては趣向を凝らしたものなんだろうが現代基準ではちょっと豪奢なものに見えないのは面白い。トイレの便座なんかも木製である。

展示を終えて出口から、宮殿の庭へ。そういや、道端にある体重計は何なのか。何のためにあるんだろう。市庁舎や広場でやっているフェスを見て、トラムで中心地の方へ戻る。われらのカープが、敗色濃厚の試合で9回、逆転サヨナラホームランで勝ったことを知る。さすが菊池。ハッキリ言って、こんときはまだ優勝すると信じてました。

やや曇っていて、道も平たんなのでブダペストとブラチスラバと比較して、体力の消耗はそこまで激しくない。街もヨーロッパらしい建物が並びつつザ・都会という感じで、飽きない。

それにしてもよく馬が歩いている。観光客向けに馬車を引いており、ケツの下には馬糞が道に落ちぬよう、糞を受け止める器具などもある。こんなにでかい生物、その気になったら御者も乗客もいてこませるだろうに、静々と歩いているのは不思議なもんだ。

ウィーンのバーガーキングも、マックをあおり倒しているのだろうか

●おやつにザリガニ

今日はまとまった飯を食っていないので腹が減った。予約していた「Gerstner K. u. K. Hofzucker­bäcker im Palais Todesco」なる店へ。予約の甲斐あって、ずいぶん豪奢な内装のフロアに案内される。

腹が減ったとはいえ、夕食の店を予約していることもあるのでガツ食いは我慢。ザリガニのオープンサンドと、ウィーンのビール「Ottackringer」を注文する。

これが結構うまかった。空腹というゲタを履いていたこともあるが、汗をたくさんかいた体に塩味が染みる。ザリガニはまあ普通にエビみたいなもん。もう10個は余裕でいける。

あらかたこの日の予定は終えたので、ホテルに戻って小休止。窓を開けても結局暑いので夜ちゃんと眠れるか、大いなる不安を抱えながら夕飯の店へ。

●待ちに待ったシュニッツェル

予約したのは「Amerling Beisl」ってとこ。緑に囲まれた、建物の中庭にあるテラス席が特徴かな。筆者はビール、妻はプラムのジュースを注文。前日の教訓を生かし、入念にメニューを確認したことにより、ハードリカーの回避に成功した。

食い物は、今旅行で結構楽しみにしていたシュニッツェル。つけあわせのひまわり油とじゃがいも、菜っ葉のサラダがうまい。酸味があって脂系の料理と相性抜群。

シュニッツェルには牛豚などいくつかの肉を使うが、この店は子牛肉。膨らんだ期待にたがわず、うまい。まあまあでかいが薄いし油も軽めなので、余裕で食える。レモンをかけて、ジャムをディップ、など味変にも事欠かない。

その他、ウィーン流のグヤーシュも注文。パンみたいなのと一緒に食べるスタイル。真ん中の赤いのは、おそらく唐辛子系の物質だが熟しているのか、激烈な辛さはなし。

最後、もうちょっと食べたいのでソーセージを。焼きソーセージを食いたかったが、到着したのは茹でたやつ。それでも問題なくうまい。ザワークラウト風の、マスタード風味があるキャベツのつけあわせと一緒に食べるとビールが進む。

筆者らのテーブルを担当した人がすごく親切だったし、旨いしいい店だった。大満足ののち、まだ日が完全に落ちていない街を歩きながらホテルへ帰投。うだる暑さの中、心頭滅却して眠る努力をしたが、朝方までうつらうつらとする程度で熟睡はできなかった。

今回はここまで。次回はウィーン2日目、シェーンブルン宮殿など。

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