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Photo by
nagoyanomayuko
がんばれ『ランジャタイのがんばれ地上波!』 真のバラエティーが終わってしまった
テレビは毎日、ほとんどの時間、つけている。一人暮らしの頃からそうだった。それなのに、決まって見ている番組はほとんどない。数えるほどだ。そしてその数えるほどしかない番組の一つ『ランジャタイのがんばれ地上波!』が終わってしまった。
考えれば2022年の10月から1年半、よくもったものだ。テレ朝の番組なのに、初回はお台場で始まった。延々と前に進まないまま放送の大半を費やしていたと思う。その後も素人のオッサン高橋英樹とメンチ切り合戦をしたり、完全ゼロボケで環境問題を学ぶ回があったり、そう思ったらR-1グランプリの年齢制限に異議を呈するベテラン芸人のネタ見せ回があったりと、一体何の番組か分からない。
まして最終回に至っては「終王ノブ」と題して、千鳥・ノブ扮する「終王」が意味不明な独白と食事、入浴をするのみでランジャタイの出演はなし。「終王」とはどこから来た存在なのか。ランジャタイとの関係性はどういったものか。なぜ栄養補給を野菜ジュースのみに頼るのか。あらゆる疑問をそのまま残し、視聴者を置き去りにさっそうと駆けていく最終回だった。
でも、バラエティーってこうあるべきだよね。昨今のバラエティーは、バラエティーとはいえクイズやカラオケなど型にはまった企画が多い。もともと「バラエティー=Variety」とは多様性を意味する言葉だったはずだ。
だいたいにして、この番組はロゴからしてバラエティーに富んでいる。「地上波」の「上」はM-1、「!」は笑っていいとも! を彷彿とさせる。
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がんばれ地上波は、テレビ界にバラエティーをもたらす、本当の意味のバラエティー番組だった。終了が本当に惜しい。まあ、終王のおかげで最後は笑顔で、サヨナラできたかな。