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梅採り、地球と同じ速さで時間が流れる場所

先日母の田舎に梅採りに行って来ました。
まだ青かったけどたくさん収穫してきました!

地球と同じ速さで時間が流れる場所

祖母は農家でした。

私はおばあちゃんの作ったお米を、おばあちゃんの漬けた梅干しで食べ、おばあちゃんが育てた無農薬野菜で育ちました。

祖母も祖父も10年前に亡くなり、人の手が入らなくなった今は、家も畑も山も随分と荒れてしまいました。
⁡なかなか頻繁に行ける距離ではないけれど、父と母が時々手入れしに行き、山の幸がある季節には頂いて帰ってきます。
⁡去年はそうやって家族が採った梅を私にも送ってくれて梅干しを漬けたのですが、今年は私も梅を採るところからやりたくて一緒に連れて行ってもらいました。

未だにWifiの電波が入らない山の中の集落。

小さい頃からおばあちゃんの家に行く度感じていた、時間の流れ方が違う不思議な感覚。ここには地球の周る速さそのものである時間が流れています。
そんな風に感じるのは、忙しない日常とは切り離された暮らしがここにあるからなのかもしれません。

もし今おばあちゃんに会えるのなら、色んなことを教えてほしい。
おばあちゃんは何故無農薬にこだわって農業していたの?
いつも明るく朗らかで、どんな気持ちの持ち方をしていたの?

おばあちゃんが元気だった頃の私はそういうことにまるで関心がなくて。
そんな自分が今になって悔やまれます。

でも、おばあちゃんが落ちた稲穂の少しでさえも、大切に拾っていることを子どもながらに見てきたから、自然とお米は最後の一粒まで大事に食べるようになりました。

自分について誇れることなどなかなか思い付きませんが、自分のルーツの一つに、私の祖父と祖母がいて、自然の営みの中で農業をしていたことは私にとって誇れることの一つだと思っています。

さて、梅とりのことも少しご紹介させてください!

野生の梅

畑に向かって梯子を運ぶ私。この辺りの山はヒルがいるので長袖長ズボンに長靴で防備します。何ともダサい‥でも田舎なので気にしない!


本当なら剪定されるべきだったのかもしれませんが、人の手も入らないためか梅の木は随分と高い木でした。梯子と脚立を使って梅を収穫します。

祖母の畑(正確には、今は叔父の畑)にある木ではありますが、その様を見て「野生化した梅の木‥」と思った私。心の中で野生の梅と呼ぶことに。登ってみると思った以上に高く感じるもので、梅にもなかなか手に届かず慣れるまで梅がとれませんでした。でも目の前で実が生っている光景はやはり人間の本能を呼び起こすのか、梅が採れるようになってくると楽しくて、採るのがやめられないほど。家族みんな合わせてたくさん収穫しました。

この日は山に入って山椒も収穫してきました。

わらびもまだ少し出てきていたので収穫。

ここは昔祖母がお米を作っていた田んぼでした。山を登った先にある田んぼ。ここまで通って農作業していたなんて本当に頭が下がります。美しい場所です。

収穫した梅は梅干しに。青梅だったので家にしばらく置いていましたが、その間部屋中がいい香りでいっぱいに。何ともあたたかくて幸せな香りです。