くるまり はずして
ちょいと疲れる時もある
ご飯作るのやだなー
外出るのめんどくさいなー
誰かと話すのおっくうだなー
何もしたくないなー
そりゃあそんな時もある
そしたら
汗だくになっている
その○○という名前のついた
身体という着ぐるみを脱ぎさり
ぽいっと洗濯機へ入れてしまおう
シャンシャンと
洗濯機がよごれを流してくれてるあいだ
ごろんと横になり
すっぱだかのまんまで
まだなんかそこら辺に漂っている
○○という名前もちょっとよけといて
なんの名前もついてない
なんの縛りもない
ただのナニカになった感じに
ドブンと静まろう
大人だからとか子供だからとか
お母さんだからとかお父さんだからとか
学生だからとか社会人だからとか
男だからとか女だからとか
日本人だからとか外国人だからとか
弱い人だからとか強い人だからとか
そんなただのオナマエは全部脇に置いて
まんま にブクブク沈んでいこう
大丈夫
洗濯してるまの
ほんのいっときだから
誰もみてないし
何からもおびやかされない
何もナイ感じ
縛るものもくるむものも
何もナイ感じ
はじめは変な感じするかもしれないけど
そのムズムズさえ味わって
静かに 静かに
何者かになる必要もなく
何者かを目指すこともなく
何者かである必要もない
まんまのジブン
どこかで洗濯完了のチャイムが聴こえたら
ちょっとキレイに軽くなった
その着ぐるみをスポンとかぶり
また外の世界で遊べばいい
日常という名前のアタリマエの中で
いつのまにか
何者であるというオナマエを背負い
姿形ないそれに
アタマの中は大忙しになり
あれもこれもと
記憶という扉から呼び起こす
フト気がつくと
オナマエもその記憶というものも
見えないカコイだと 思い出す
また忘れちゃうけど
ときどき思い出した分だけ
軽くなる
何回も 何回も
何回でも
だから
ちょいと疲れちゃったら
まんま の中で遊んでみる
だんだん まんま のほうが心地よくなり
いらないオナマエは
いつしか外れてるかもしれない
軽く 軽く
どこまでも 軽く
そんな遊びも
面白い
ありがとうございます。 お受けしたサポートのお気持ちは、この巡りのなかで循環させられるよう、ありがたく使わせて頂きます。感謝致します。