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梅雨空の晴れだから

雨続きの束の間の晴れ間は
何でこんなにココロ躍るんだろう

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お昼何食べようかなー、週末買い出し行かないとなーとか考えながらウダウダしてたらお外が明るくなってきた。

!! お陽さまだー!

わぁーお!お陽さまだお陽さまだ。お出掛けしよう。買い出し行こう!
あれほどグダグダしてたのに、こういった時の行動は早い。あれ?身体重いとかさっきまで思ってなかったっけ? まあいいや。

雨続きでこのところちゃんと歩いていない。昨晩身体の詰りを感じてたとこだった。
ついさっきまで小雨が降っていたのに、風があるからか道路は所々もう乾きはじめてる。足下気にせず歩けるのってなんてラクなんだ!
わーい!楽しいぞ~!嬉しいぞ~!歩けるのがとっても楽しいぞー!
昨晩身体の詰りを感じた時に思い浮かんでいた「神社行きたいなー」。まずはそこだな。

一礼して裏門の鳥居をくぐると、そこから空気は変わる。毎度の事ながら面白いくらいに変わる。ふぅーっと息をはいて辺りを感じる。

あれ? 静かだな。 とても静かだ。

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空は晴れている。風も通っている。
でも全体が、とても静か。

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まだ人影もまばら。でも子供が嬉々として走り回って遊んでる。犬の散歩に出てきた人もちらほら。人はいる。声もする。でも、静か。

うん?と思いながらも散策を始める。
雨上がりの樹々はいっそう美しい。

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今日はぬかるんでない道を選んだから、いつもと逆方向に廻る。あら、景色がいつもと違う。いつも何気に見上げていた大樹の裏側が何やら楽しそうなニオイがしてくるりと裏側にまわってみる。

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なんなんですか~ あなた方は!
ここだけ見たら、誰が都内だと思うだろう。

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まさかこの大樹の裏側にこんなワシャワシャが潜んでいたとは。いつもは気にもしてなかったよ。すごいなぁ。活きてるなぁ。

ここ数年「苔(こけ)がキレイだな」と感じるようになった。

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自然の芸術に勝るものはない。
そしてそれは誰かに見せるためにそうしてるのではなく、何らかのご縁で、摂理で、そう現れている。それぞれがそれがあたりまえに。

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あたりまえに、風が吹き付ける方から乾いて色が変わって。
樹として何も変わらないのに、どうしても色の違いに目がいってしまい、はたまたどっちの色の方が好きだなんて言ってみたりする。
いや、たまたまそちらから風が吹いたんで乾きだしただけですから。



ぼけーっとしながらゆっくり散策してたらフと気付く。
あ、そうか。静かなのは満ちてるからなんだ。静かなんだけど何か違うなーと思ってた。このところの雨で、大地も、樹も、潤い満ちて蓄えられてその満ちてる感が辺りいっぱいに広がって、それが静かだと感じられたんだ。

そうだね、ほんとうの本当に満ち足りてると静かだよね。そしてなお満ちると自然に溢れだしてその幸せがまわりに流れていくよね。何かしようとしなくても勝手に溢れ出ちゃうよね。



「そして地には繋がっているだろう」と何処からか飛んでくる。
「風が当たる方の色が変わっていようとも、樹には変わりないだろう。裏側にいきいきと生い茂っていようとも、そこはそういった縁があっただけだろう。そしてみな大地に繋がっているだろう。」



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ふぅ~っと深呼吸して、帰り際いつもの樹に触らせてもらう。
ちょっと溜め込んじゃいました。流させてくださいねー、と樹の一部になって一緒に呼吸をする。上から下へ要らぬものが流れていく。
はぁ~、スッキリ。どうもありがとう!


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さて買い物して帰るかと確認したら、あらら昼時間はとうに過ぎてる。あまりに楽しすぎて結構な時間いたみたい。ここに来るといつも時間はぶっ飛んじゃう。

いつもの八百屋さんを覗いたら、ご実家からの無農薬野菜が幾つか入っている。これはラッキーとばかりにミニトマトと胡瓜、ジャガイモとパクチーを買ってホクホク。

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ぐるりと回ってもうひとつの八百屋さんへ。ここでは生食できる杏(あんず)を買う。近所ではここしか売ってない季節もの。「生食用は来週で終わりだなー」といつも食べ方とか色々教えてくれるお兄さん。今の所に越して来てこの八百屋さんで勧められて初めて食してから、毎年のお楽しみにしてる。仕入れの人が果物好きなのかここの果物はハズレた事がない。

家に戻った時にはすでに14時半を回ってた。あらら、朝から何も食べてないぞ。今からガッツリだとまた夕飯ずれちゃうな。でもお腹は空いておる。
うーむと考えた挙げ句、買ってきたばかりのお野菜たちとパンで軽く済ませることに。昨晩残りのクラムチャウダーもあるから丁度いいや。

ブロッコリーを蒸す。あー、なんで蒸したてのブロッコリーってこんなに美味しいんだろ。
ミニトマトも洗ってパクリ。
おーっ!トマトの味がする~。これだよ、これ。流石ですありがとうございますと何故だか八百屋さん方面に頭をペコペコ下げながらトマトを頬張る。いやはや、うんまい。最近トマトの味がするのを食べられてなかったから尚更嬉しい。やたら糖度が強いのとか色々あるけど、私の知ってるトマト本来の味がするものはなかなか店に並ばない。
敢えて細身を買った胡瓜は1本のまんま味噌マヨネーズを付けてみる。パキンと割れてシャキシャキと小気味良い音と共にこれまたお久しぶりの胡瓜の味が口いっぱいに広がる。時たまこういったのを食べれると、いつも食べてるあれらは何なんだろうと思ってしまう。
ジャガイモは茹でて、これは塩だけとかで十分だなーとシンプルに。うん、正解。バターもいいけどなんかそうするのが勿体ない。

新鮮な美味しいお野菜などは、塩だけとかで充分美味しい。そして量がいらない。沢山食べなくてもお腹いっぱいになる。エネルギーにみちている。そして身体もちゃんとそれに反応する。

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16時頃にはモクモクとまた雲が広がりはじめた。数時間のラッキータイム。
ベランダの植物もしばしのお天道様浴びてピン!と元気に。お洗濯物も少しは乾いた。
お散歩も出来たしお陽さまも直接浴びられて身体が喜んでいる。

雨続きでなければ、ここまでこの僅かな時間のお陽さまの恵みを喜んだりしないのかもしれないな。
そして梅雨があければ、たまに降って暑さを和らげてくれる雨を今度はありがたく感じたりするんだろうな。

雨は要らぬものを流し浄化してくれる。
その雨音はノイズをかき消し静寂の空間を作ってくれる。その中にたたずむ時、自分の中のホコリも地へ流されまっとうの「静か」が現れる。

その「静か」に落ち着いたジブンは
陽のパワーで輝きを増し
各々の個性を通してそのものしか出せない現れをする。

大地が支え風が運ぶ。


7月に入ってまた一段と空気が軽やかになり、その中にもシュッとした強さが見え隠れする。
動きの後半が始まっている。

どんなに動こうとも土台は変わらない
まんまん中の静かな中へ。


束の間のお陽さまタイムでご機嫌さん。
今日もステキな一日だった。
ありがとう


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kitoma
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