[まとめ]BtoB×SaaS×CS LightningTalks #4
キト丸(@kito_maru)です。
BtoB×SaaS×CS LightningTalks #4に『ブログ・note書いてくれる枠』で参加してきました。
イベント趣旨(connpassより引用)
"リーダー、マネージャ、その他役職付きではないが濃い現場ノウハウをお持ちの、カスタマーサクセス(サポート)ご担当者様に、もっとお話をお伺いしたい!"
"BtoB×SaaSのCS現場で活躍している皆様に有志で登壇していただき、日々の業務の進め方や工夫など、眠っているノウハウをお話いただきたくお願いいたします。"
今回は5社の登壇でした。順番にまとめます!
導入前・オンボーディングにおけるワークショップ
Reproの駒谷さんは、ユーザー向けワークショップのご紹介。タイミングは導入前やオンボーディング。内容はカスタマージャーニーの作成など。
カスタマージャーニーでエンドユーザーの動きを可視化、各段階での課題を発見、達成要因や阻害要因も書き出し。それらを総合すればユーザーのプロダクトが進化するし、エンドユーザーへのコミュニケーションも明確になるし、Reproのプロダクトを使用する理由づけも具体化。
そもそもワークを行うことになった背景は、ハイタッチのサポート内容をロータッチへ移行させること、ユーザーのプロダクトに対する改善施策をユーザー自身に決めてもらうようにすること、フォローコスト低減、の3つ。
もちろん成功事例も失敗事例もあり。
成功事例では、プロダクトリリース前に施策が100以上出た(!)。それだけあるとしばらくネタに困らない。
失敗事例は人材育成としてとらえられてしまったケース。「そこまでサポートしてくれるなら大丈夫でしょ」とキーマン不在になりグダグダ、メンバーが新卒やインターン生だけになったり、Reproが入らないとワークできない場合もあった。
確かにジャーニーマップは「改善施策を動かす主体」が考えるべきで、そうでない立場ならサポートに徹したほうがいいです。その中でも失敗例はエグい。主体性ナシor決定権ナシの人がアサインされてしまったら要注意ですね。
成功例でストックできた施策数に驚きましたが、ネタに困らないだけでなく、行き詰まって迷い悩むことが減らせそうだし、短中期の見通しにも役立ちそうですね
BSCSで得た知見+チャットボットでCS工数を65%削減
BEDOREの遠藤さんは、BSCSの第二回で得た知見とチャットボットで問い合わせ対応を効率化。活用した知見はクラウドサインの「カスタマーサポートの問い合わせを社内Slackへ流す」というもの。
もともとはGmail中心のサポート体制。エンジニア確認が必要なものが多く、手作業でSlack転載。これをSlackへの自動連携にすることで30%の問い合わせ対応をスピードアップ。
でもそれでエンジニア本来の業務を阻害している一面も。加えて理想のカスタマーサポートは0秒対応。そこで自社プロダクトであるチャットボット自動応答エンジンを導入。自動応答率50%を叩き出した。
結果的に
チャットボットで50%削減
→エンジニア対応のスピードアップで残りの30%(全体の15%)を効率化
→全体の65%を削減できた。
チャットボットは使うべきツールだとメチャクチャ信じています。人が対応する問い合わせを大幅に減らせるのは大きい。もちろんそのためにはチューニングをバリバリにやる必要がありますが、チューニング作業もコンタクトリーズン深掘りになったりするので、プロダクトの課題発見&解決に繋がりますよね。オススメ。
オンラインとオフラインをつなぐオンボーディング施策
Axiverseの能塚さんはかなりアナログなフォローも行って、オンラインとオフラインをつなぐオンボーディング。それはなんとチラシ作成。
専門職向けのシフト作成サービスを提供。8月にリリースしたばかり。看護師シフトの難しさがプロダクトのきっかけで、単純に人が居るだけでいいのではなく、各種スキルの保有者をどう配置するかを考える難しさを簡略化させる。
店舗でイメージすると実はユーザーが分かれて、スタッフ・店舗管理者・統括管理の三階層になる。どの階層が起点でも離脱リスクがあるため、オンボーディングがかなり重要。
離脱リスク回避のため、オフライン・オンラインを分断させずにUXに繋がる施策を行っている。例えばスタッフ配布用のチラシ作成。「○月○日よりシフト提出がスマホでできます!」「不明点は○○(店舗管理者やシフト管理者など)まで」といった内容のチラシを提供することで、店舗管理者とスタッフ共にスムーズにプロダクト利用できるようにしている。
コールセンターの人間としてシフト作成・管理を重要と考えてます。なのでめっちゃ真剣にメモっていて、それゆえに聞き逃しが。不足点あればどなたか補足ください。
オンボーディングというと自社プロダクトをどう使ってもらうか?という視点になりがちですが、この事例は「そもそもリテラシが高くなかったりする人たちにどう使ってもらうか?」というレベルまでブレイクダウンして、結果としてチラシという策を取っています。少し視点をズラして成功している感じがいいですね!
Tableauでユーザ行動の可視化して改善
Classiの小坂井さんは、Tableau活用。ここは僕が知見なさすぎてよくわかりませんでした。残念。とりあえずメモを。
Classiは学校を介して使用してもらう、高校生向けの教育サービス。BtoBtoC。
ポイント
・学習
・コミュニケーション
・ポートフォリオ→新入試(多面的評価)対応
Tableauを使って
・経路分析(セッション内の講堂パターンの可視化)
まとめ
・SaaSサービスの場合、ユーザの目的ごとに行動パターンを可視化し、「なぜ?」で深掘れば、ユーザの成功体験につながる仮説は出やすい。
・定性的なインタビューや仮説と合わせてデータを使うことで、改善の意思決定を支援できる。
質問:GAでも似たようなことできると思うけど、なぜTableau?
→GAは割合までで、行動パターンは見れない。あと画面遷移がどう変わっていくかは見れるけど、イベントとの突合せができない。画面は変わってないけどこんなアクションをした、が見れない。Tableauはサービスに合わせてチューニングもできるので、ユーザーごとに見れたり、フィルタリングもできたり、というところがいい。
開発へ顧客要望を届けてプロダクトをブラッシュアップ
BizReachのHRMOS事業部 原山さんは、開発に半出向してCSと繋いだお話。
データでやり取りしているだけだと、表面的な要望しか伝わらない。
・本質的な課題(何に困っているのか)
・検討の優先順位
・顧客の温度感
など、本当のお客様の声を届ける! 企画・立案から入る!
やったこと
・PdMと施策検討
・プロダクトのWillをみんな(開発メンバー含む)で考える
・開発メンバーによる業務フローの洗い出し
・仕様検討から参加して徹底的に口出し
→これにより、開発メンバーとCSが同じKPIを設定できるように!
よかったこと
・開発メンバーが顧客視点を持てるようになった
・より顧客の求める開発体制ができあがってきた
・お客様の声を届けやすくなった
やるなら気を付けること
・メンバーの意見を尊重しつつも、言うべきことははっきりと言う
・共通指標をできるだけ多く持つ(目線合わせが大事)
とはいえ一番大事なのは
・PdMとの距離感、コミュニケーションがめちゃくちゃ大事。
・自信を持つ(お客様のことを一番知っているのはCS)
個人的にアツかったのは、CSに来いではなくCSが行くという発想です。CSって最前線の意識が強いので「最前線を知るためにみんな来流べき」となりがち。そうではなくCSが行って最前線を知らせるということがポイントだし、これはかなり汎用性が高い(CSと開発に限らず、SaaSにも限らない)ですね。
やはりカスタマーサクセスは面白い
個人的にカスタマーサクセスはかなり事業運営の幹になるポイントで、経営にも近いポジションだと思っています。プロダクトの芯を食ってUXを向上させる手助けをし、売り上げ拡大にも貢献する。それがよくわかる会でした。面白かったです。
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