あらを煮出してつくる ちょっと薄味のきんめのあら煮
あら煮ですから、あらを煮るのは当然ですが、これは背びれなどの”あら”であら煮用の煮汁をつくってから、その煮汁でまた煮付けをつくるという大変面倒なつくりかたです。
煮付けを作るとときに悩むこと。それは味付けの濃さです。
定食屋さんで出てくるテリテリ、ツヤツヤのきんめの脇に溜まった輝く煮汁。骨の旨味も溶け出して、ごはんにのせて食べたら美味しそう。ワクワクします。
でも、ハタと考え直します。煮汁は美味しいけれど、はたして魚自体の味はどうなんだ、煮汁と合わさると煮汁の味の方が強くなり、身の美味しさ自体は味わうならちょっと薄いほうが良いかもと。
毎度魚を煮る時前に悩むのですが、今回も悩みに悩んだ末、薄味でに決定しました。
おろした後の頭とカマ。食べやすいように形を整えます。ヒレも切ってしまいます。あら煮は美味しいですが、食べれない部分もも多いですし、人数分に分けるのも難しいので切り分けるようにしています。
頭とカマだけ避けて、中骨を除くアラ全てを、鍋に。
こちらは煮こごりを作った後に残ったあらです。使い倒した感が漂っていますが、ここからも出汁は取れるはず。
水、酒、砂糖、醤油を合わせて15分ほどグラグラと煮出します。
これで煮汁の完成。上に浮いている脂の量もいい感じ。
6尾分のアラにお酒1カップほど、醤油ときび砂糖を大さじ6づつ。そこに水をひたひたに注いで作ったのがこの量。
全部でちょうど600mlあったので、1尾あたりに使う煮汁はその1/6量、100mlほどの計算。
避けておいた頭とカマは沸騰前のお湯を注いでから水にとり、口にあたるウロコや血合いなどを取りのぞきます。
鍋やフライパンに並べ、生姜の薄切りと煮汁を合わせ中火にかけます。
沸騰したらキッチンペーパーをかぶせてからフタをして中火〜弱火にかけます。
常に煮汁がきんめにまわっている状態で5分。今回は1尾1.3~4kgの大型のものを使いました。 600〜800gのものであれば3〜4分で良いかと思います。
器に盛り、薄切りのねぎをのせて。汁まで飲めるちょっと薄味のあら煮ができました。
きり身だけを煮るときは2枚おろしの中骨つきのものを使ったり、魚の下にねぎやささがきごぼうを敷いておけば直接火が身に当たらないのでしっとり仕上がります。