茶審査技術競技大会の思い出 その2
前回は、茶審査技術競技大会の内容について書かせていただきました。つづいて、店主の思い出を基に、その様子を書いていきたいと思います。
※コロナ前の店主の思い出なので、現在の競技大会の詳細と異なっている部分もあるかもしれませんがご了承くださいませ。
②誰が出場できるの?
基本的に、お茶の業界の人しか参加できません。地区によりますが、茶農家さんが出場していることもあります。
上記の写真のように、各地区で別れています。そこから10名の出場者が選ばれて出場し、個人及び団体で争われます。
前の記事で、「京都を勝ち抜くことは高校野球でいうと大阪や神奈川県で勝ち抜くくらい大変」ということが分かっていただけますでしょうか。。。
個人優勝者と団体優勝段が表彰されます。ここで団体の優勝地区を見ると、小倉(北岡園はここにいます)、山城、和束、城陽、宇治、、、激戦区ですよね。。。
ちなみに個人で5回も優勝を勝ち取られている菊岡さんは、森半(共栄製茶)の方です。すごいですね。。。こういった方々と切磋琢磨し、宇治のお茶は品質の向上に努めています。
③利き茶のむつかしさ
さて、前回の記事では数々の利き茶を行うことを書かせていただきましたが、何がむつかしいかっていうことを店主に聞いたところ、『体調を整えること』だとお話ししてくださいました。
お茶の違いが明確であったとしても、過去自分が飲んで頭にインプットしていた感覚と微妙にずれることがあります。それは、その日の体調によって甘さを感じすぎたり、香りを感じ取れないことなどに原因があります。
数々のお茶を味わっているからいいというものでもなく、その日に自分が「お茶の味をしっかりと感じ取れるよう」体調を保っていることが大切だということでした。
確かに、ソムリエさんも体調維持が大切ということをおっしゃっていたような気がします(この記事を書いている広報担当は以前ソムリエ試験を受けたことがあります。落ちましたが)
④京都ではない、他の地方のお茶を判断できるのか?
協議の第三審査では、10種類のお茶(玉露で宇治、和束、田原、田辺、丹の国 煎茶で宇治、大和(奈良)、朝宮(滋賀の信楽)、鹿児島、静岡)の10種類を飲んで鑑別します。
京都以外のお茶を飲んで区別がつくものなのでしょうか?
店主によると、もちろんわかるそうですが、その年でやはり少しずつ変わることはあるので、事前にその地方のお茶を取り寄せて利き茶をしているとのことでした。違いが分かるとはいえ、それぞれの土地のお茶の特徴(甘み、苦み、さわやかさ、色、香り立ちなどなど、、、)を自分の中でしっかりと分けて、インプットできるか。この事前の勉強から協議会の戦いは始まるといっていいと思います。
ちなみに店主は独学でこういったお茶の香りや爽やかさ、色などの区分を学んでいったそうです(その後協議会などで他の方々の会話を注意して聞いたりする中で知識を深めたり、という努力をしてきたそうです)。
私はワインスクールの本やビデオを何度も見たりしながらテイスティングを勉強しましたが、独特でこういう繊細な味の違いを学んでいくのは本当にすごいと思います(何度も言いますが私はソムリエ試験落ちました ※名誉のために言うておきますと、利き酒師と焼酎利き酒師は試験合格しています。)
次回の記事は、この競技会、全国大会で得られる「段位」について、少しお話しできればと思います。
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