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大切な人を入院させたい病院#18

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半ドン技師です。

リハビリの技師長は私より7つ年下だけど同期入職で、お互い独身の頃は週2回くらい飲みにいく仲。
IT部長とは、政治ネタ等、熱く語り合ったとお伝えしましたが、技師長との会話は・・・
「ビールうまいっすね」「店員かわいいっすね」といった感じ~♪
仕事の愚痴もほぼなく、人の悪口も言わない。無理して話すネタを探す必要もない。すごく居心地が良かったです。

いつも通り居酒屋に向かって二人で歩いてたら、少し離れたところで自転車に乗っていた子どもが転んじゃったんです。そしたら技師長が、サッと「大丈夫かぁ」て声を掛けに行きました。
もちろん私も無視する気はないですよ。だけど私の場合、
子どもが転んだ⇒助けてやらねば
と頭の中で考えてから動き出してしまう。その差たった1秒かもしれないけど、本当に優しい人間との大きな大きな1秒差
そんな技師長の人生の目標はこれ

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こんな最高なゴール。私も目指したい!

そんなある日、祖母が股関節を骨折してしまい、リハビリのために入院することになりました。入院した病院は、私の職場、脳神経リハビリ北大路病院です。
技師長に「誰に担当して欲しい?」と尋ねられ、
「お勧めは?」と尋ね返したら、
「みんないい子ばかりだから、誰が担当になっても大丈夫!!」と言い切られました。
スタッフを全面的に信頼して胸を張る技師長は格好いいし、そう言わしめるスタッフも凄いです。

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入院生活が始まり、祖母は新聞を読むのが日課だったので、毎朝新聞を病室まで届けに行っていました。祖母とこんなに話をしたのは、小学校の夏休み、祖母のいる田舎で過ごした以来かも。祖母は耳が遠いうえに補聴器をつけてくれなかったので、あまり会話は成立していなかったのですが・・・
補聴器をつけない理由は、「年を取ると聞こえないほうがいいことが、いっぱいあるから」らしいです。

頑張り屋の祖母は、リハビリの時間以外も自主的に歩行練習をし、近くのスーパーに買い物に行くのを目標に温かいスタッフに見守られながら、みごと目標を達成し退院の日を迎えました。

退院の際は、「みんないい人ばっかりで退院するのが寂しいくらい。こんないい病院は初めて、一生忘れない」と祖母が言ってくれました。
当時91歳だった祖母が使った一生と言う言葉。
まだまだ人生これからと言う気概が感じられました。

自分の大切な人を入院させたいと思える病院

そんな病院で働いている私の姿を祖母に見てもらう事ができました。
こんな素敵な思い出を作ってくださった病院スタッフ全員に感謝です。

僕も一生忘れないよ。おばあちゃん。


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