パラレルワールドの中で
「もしも」の側の世界で
「まさかこんなことが起きるわけない」と思っていても、その「まさか」を人は人生の中で度々経験するものなんだということを、私はよくよく知っていたはずなのに、またその「まさか」に出くわして、みっともなくオロオロしている。
行きたい場所に行けなくなって、会いたい人に会えなくなった。
志村けんさんが亡くなってしまった喪失感も未だに埋まらない。
こんなにも目まぐるしく、この世界が変わっていってしまって、
どこかで誰かが「もしもボックス」を使ったみたいだなあと思っている。
一度作られた「もしも」の世界は永遠にパラレルワールドとして存在し続ける。「もしも」の側にいる私たちは、元の世界に戻ることは出来ない。このパラレルワールドの中で生きていかないといけない。
じゃあ、今までと全くの同じ世界に戻れなくても、この新しい世界を、希望のある世界にしたらいいじゃないかと思っている。
行きたいところに行けないことも、
会いたい人に会えないことも、
それを楽しめたらいいんじゃないかと。
人生には「まさか」の存在が付きものだと知っているのと同じように、辛いことや苦しいことも転換して楽しみに変えられることも、私は知っているんだ。