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遠回りする雛 感想

ついに古典部シリーズ第4作目、『遠回りする雛』を読み終わったので、感想書きます。

本作はなんの変哲もない平凡で省エネ主義の男子高校生、折木奉太郎が好奇心の塊のお嬢様、千反田えるに振り回されながら謎解きしていく学園モノミステリー、古典部シリーズ第4作目で、全三作『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』の間に入る話と、クドリャフカの順番の続編の計7作が収録されている。

正直、4話目の「心当たりのあるものは」までは、一作目『氷菓』の序盤のような感じで、ミステリーとして『氷菓』よりも内容が面白くなってはいるものの、前作の『クドリャフカの順番』にあったような盛り上がりに欠けてイマイチ作品だなぁと思っていたが、5話目の「あきましておめでとう」からは、ミステリーの他にも青春要素が増してきて、物足りなかったところが上手く解消された。通して読むとシリーズでも屈指の名作だと思う。

特に僕が好きだったのは6話目の「手作りチョコレート事件」
里志の過去や心情を吐露するシーンが、ただの娯楽としてのミステリー作品を高校生の青春にグッと近づけてきて、作品の深みを出している。

ぶっちゃけ読むのに時間かかっちゃって最初の方覚えてないけど、『氷菓』だけ読んで止まっているひとはぜひ『遠回りする雛』まで読んでほしい。

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きたまくら(遺伝子組み換えでない)
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