クドリャフカの順番 感想
前回の更新から間が空いてしまいましたが、ようやく『クドリャフカの順番』読み終わったので感想を書きます。(1000字くらい)
ストーリー
主人公の折木奉太郎は省エネを信条とする男子高校生。OBである姉から古典部に入るよう命令をうけ、プライベートスペースを得て悠々自適な高校生活を想像するが、その計画は同じように古典部に入った同級生”好奇心の権化”の千反田えるによって打ち砕かれる。
以前からの知り合いである福部里志と伊原摩耶花も古典部の仲間に加え、奉太郎は古典部の最初の文集に秘められた謎を解き、その顛末を文集として文化祭で販売することとした。
しかし摩耶花の手違いで文集は20部発注するはずが200部に!
省エネ主義のやれやれ系だがなんだかんだ言って優しい奉太郎は、他の部員と力を合わせて完売のため奮闘……はしないものの、持ち前の推理力で貢献する。
感想
めちゃくちゃ面白かった。
本書はシリーズの前の二作よりちょっと長く、あとがき含め393ページあるのだが、ぶっちゃけ事件の犯人は三分の一読んだくらいで分かった。
ただ、犯人がわかってもそれが古典部の危機脱出とどうつながっていくのか、とか、奉太郎以外の古典部のメンバーがどうシナリオに関わってくるのか(むしろ奉太郎がどう話に関わってくるのか、と言った方が正しいかもしれない)が気になってしまい、どんどん読み進めてしまった。
前作の『愚者のエンドロール』ではシャーロックホームズを読んでいないことで推理に支障が出てしまったので、今回はモチーフの作品は調べて臨んだけど、本書については知識がなくても平気だとは思う。
個人的面白かったポイントは、今まではすべてが奉太郎の一人称視点で書かれていたのに対して今作では古典部の4人の視点でそれぞれ描かれている点。視点が増えたことは、謎解きの面白さを増すだけでなく、文化祭を魅力的に描く効果もあり、ミステリーながらも青春の楽しさを味わえた。
また、視点が増えたことにより、奉太郎以外のメンバーの性格、悩みや挫折、そういったものが見えてきて、キャラの人間味が増し、より魅力的になった。
一作目、二作目読んだ人はぜひ三作目まで読んでほしい。
年内は難しいかもだけど続き読んだらまた感想書きます。
前作までの感想は以下のリンクへ。
シリーズ一作目『氷菓』 感想
二作目『愚者のエンドロール』 感想