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のらねこ日記 ⑦
女番長 ミケ
ミケさんは、小さくて、体が柔らかくて、さわり心地のよい子でした。頭も良く、手先も器用で、お気に入りの小さなぬいぐるみを爪にひっかけて高く投げあげ、空中キャッチする1人遊びをよくやっていました。
ただ、気はかなり強くて、ボーちゃんとじゃれ合いからケンカになっても常に勝っていましたし、うちの敷地内を通るよその猫に対しても網戸越しに「ウゥ~」「シャー!!!」と威嚇していました。
また、保険のおばさんが来た時も、母の橫に立って、まるで犬のように「ニャー!ニャー!」と吠えていて、おばさんが帰ると庭を1周パトロールしてから、部屋の座布団に落ち着くのでした。
ある時、庭でよその猫と取っ組み合いのケンカをして、お尻に穴をあけて帰ってきました。
父が慌てて獣医さんに連れていくと、
獣医さんから「こんな深い噛み傷がつくほどメス猫がケンカするのは、珍しい。」と言われました。実際、傷の消毒のためのピンセットにはさんだ綿球が、ずぼっと、かなり深く傷口の中に入っていくのを見た父は、
『ひぇぇ~!』と声にならない悲鳴をあげたそうです。
幸い、感染症になることもなく、ミケさんは無事回復しましたが、それからしばらくして、今度は父が猫の牙の洗礼を受けることとなりました。
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