のらねこ日記 ⑭
シマとゴラ
わが家の外猫となったシマに、やがてつれあいができました。
シルバーグレイに黒の縞、一見アメリカンショートヘアーのような、ちまちまっとした可愛らしい子でしたが、シマほど人馴れはしておらず、さわることはできませんでした。
母曰く、「2件隣のUさんがアメショーを飼っているから、それがこの子の父親なんじゃない?」と、勝手な推理で、『御落胤』からゴラと名付けました。
シマとゴラは、とても仲睦まじく、いつも一緒で、寒い日は父の作った外猫ハウスの中で、シマをゴラが抱えるように寄り添って寝ていました。
でも、シマはその後も何度か感染症を患い、ちょっとずつ弱っていきました。それでも、ゴラはいつもシマの傍らにいました。
そして、とうとうシマは動物病院で亡くなりました。
シマがいなくなると、ゴラは来なくなりました。
しばらくして、近所で父がゴラを見かけた時、事故にでもあったのか、ゴラの鼻から口にかけて、血で真っ赤でした。慌てて父は、ゴラを捕まえようとしましたが、ゴラは、ぴょんと塀を飛び越えて逃げてしまい、それきり姿を見ることはありませんでした。