のらねこ日記 ㉔
フィジカルモンスター
もらわれっ子のケイちゃんは、わが家ですくすくと大きくなりました。
そして半年もたつと、長い尻尾がチャーミンクな、スラッとした女の子に成長しました。先代のミケさん、ボーちゃんが小柄な尻尾曲がり族だったので、尻尾長族のケイちゃんは、まるで外国のモデルさんのようでした。
その尻尾でバランスをとりながら、ケイちゃんは、どんなところでも歩いていけました。
ある時は、先代に破られ、張り直さないままにしていた障子の桟の上(幅2センチ弱)によじ登り、サッシ窓との隙間8センチに入り込んで遊んでいました。
猫の体のやわらかさには、驚愕です。
またあるときは、居間に置いてあるマッサージチェアの背もたれから、高さ180センチのところにある長押(なげし:和室の壁面をぐるりと囲む化粧部材で、板の厚み1センチ、壁との間8センチ)の上をまるで忍者のシュシュっと走り回っていました。
走るだけならよかったのですが、
ある晩、ケイちゃんは、長押の上から部屋中央(8畳間)の天井からつり下がっている蛍光灯の傘の上に飛び乗ろうとして渾身のジャンプ!
しかし、バランスの悪い蛍光灯に乗れるわけもなく、あえなく落下!
真下には、わが家の晩の食卓がありました…。