のらねこ日記 ⑰
ねこの爪
ある日のこと、遊びたいボーちゃんが、ミケさんにしつこくし過ぎて、いつものように猫パンチを喰らっていました。
ミケさんにやられて、トボトボと戻ってきたボーちゃんの顔には、何か左目のわきにプラプラと揺れているものがついていました。
ボーちゃんを捕まえて、よーく見てみると、それは抜けた猫の鉤爪。
猫の爪がとれるなんて知らなかった私は、驚くと同時に、爪が刺さって取れるほどの強力な猫パンチをくらったのか!と、なんかボーちゃんが、とても哀れに思えました。
そんなボーちゃんに、新たな悲劇が襲いかかりました。
父がお風呂掃除をやりかけて、その場を離れた隙に、ボーちゃんが浴室に入り込んだのです。水に濡れるのは、嫌いだけど、お風呂のお湯を見るのが好きなぼーちゃんは、片側だけしてあったお風呂のふたの上に飛び乗ったところ、ふたの片側が浴槽の中に落ち込んで、滑り台のようになってしまいました。さらに悪いことに浴槽には、まだ残り湯が…。
私が発見した時、ボーちゃんはお尻を濡らしながら、必死に斜めになったお風呂のふたをよじ登ろうともがいていました。
私が慌てて抱き上げると、パニックボーちゃんは、物凄い勢いで爪をたてて私によじ登って来ました。
結果、せっかく助けてあげたのに、私の鎖骨あたりに穴が3つ空きました…。
相変わらす、家の中所かまわず爪とぎをする2匹の爪切りをするのは、母の役目でした。
母は、餌をくれる一番偉い人なので、
猫さんたちは、イヤな爪切りもじっと我慢していましたが、ある日、母はうっかりミケさんを深爪してしまい、爪から流血!
でもミケさんは、泣いたり暴れたりすることなく、何故か遠い目をして、フッとため息をついていました。