のらねこ日記 ⑬
通りすがりの猫たち
わが家の敷地は縦長で、門から居間の横を通って玄関がありその先がダイニングキッチンで一番奥に外の水道があります。そこは、バケツに水を貯めたままになっているので、よく野良猫が水を飲みにきます。
おまけにメス猫が、2匹もいるので、恋の季節には、オス猫がよく来ていました。(もっとも縄張り意識の強いミケさんにシャー!シャー!されていましたが)
ある日、首輪をした白っぽいオス猫が窓からこちらをのぞいていました。
母曰く、うちから徒歩5分ほどのところにあるクリーニング屋さんちの猫だとのことで、母は勝手に「洗濯屋さんの猫だからセンね」と名付けました。
同じ頃、もう1匹、白にサバトラの瞳のきれいなオス猫も来るようになりました。こちらは野良のようでしたが、人馴れしていて、母は「シマ」と名付けました。(シンプル・イズ・ベストな母のネーミングセンス…)
2匹とも穏やかな性格でケンカすることもありませんでしたが、恋の季節が終わったのか、センの方は来なくなりました。
一方、シマは毎日来るので、母はえさを与えるようになりました。
ある日、ケンカをしたのか、シマは首のところに大きな傷を作ってきました。おまけに、傷は化膿してなかなか治りそうになかったので、父はシマを獣医さんに連れていきました。
診察の結果、「この子は、猫白血病だから、長くは生きられないよ」と言われました。
確かにシマの口元は、きれいな薄いピンク色で、でもそれは貧血気味だったからなのかもしれません。
家の中には入れられないので、シマのために父はベニヤ板で小さな小屋を作ってあげて、シマはそこで暮らすようになりました。