のらねこ日記 ⑥
大脱走
新築のわが家は、アパートから徒歩10分、何日かかけて自力で荷物を運び込み、引っ越し当日は、父の職場の軽トラに、家具や家電を積み込み、ミケさんとボーちゃんは、みかん箱に入れられて、アパートをあとにしました。
新居に入った2匹は、やはり落ち着かない様子で、しばらくは、古い食器棚の一番下にこもっていました。
が、いつの間にか2匹とも姿がみえない!
家中捜して、キッチンの掃き出し窓が少し空いているのを発見、慌てて庭や近所を捜したけれど、2匹は見つかりませんでした。
夜になり、Tさんから連絡がありました。
「2匹が戻ってきて、今うちでごはん食べています。」と。
急ぎ、父がみかん箱を持って引き取りに行きました。
ところが、翌日、2匹はまた脱走しました。今度は父が玄関ドアを開けた時、一瞬の隙をついて足元から逃げていきました。
夕方になり、またTさんから電話がありましたが、ごはんを食べたあと、またいなくなったとのことでした。
翌日、ボーちゃんだけが、何事もなかったように戻ってきました。
そして、みんなが心配するなか、ミケさんが1日遅れで帰還しました。道中大変な目にあったのか、鼻血を出していました。
それ以降、ミケさんは外に出てもすぐに戻って来るようになりましたが、ボーちゃんは3度目の脱走を敢行、Tさんちでごはんを食べてから、半日で帰還、そして漸く新しい住みかに慣れてくれたのでした。
猫にも帰巣本能があるのだと感心した一件でした。